問題
問55
システム開発プロジェクトの開始に当たり,人的資源に関する計画書を作成することにした。この計画において,要員を適切に配置し,より良いパフォーマンスを得るために考慮すべき事項として,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a プロジェクトに必要なスキルが要員に不足している場合は、トレーニングを計画する。
- b プロジェクトに必要なスキルよりも、要員の確保を常に優先するように計画する。
- c 要員をフレキシブルに配置するために、要員の役割と責任は、プロジェクトの計画段階では明確にせず、プロジェクトの開始後に定める。
- a
- a, b, c
- a, c
- c
[出典:ITパスポート試験 令和7年度 問55]
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正解
正解は「ア」です。
解説
プロジェクトマネジメントにおいて、人的資源計画は非常に重要です。選択肢aは、プロジェクトに必要なスキルが不足している場合に、トレーニングを計画するという内容であり、これは人的資源マネジメントの基本的な方針に合致しています。スキル不足はプロジェクトの遅延や品質の低下を招く可能性があるため、事前に対応策としてトレーニングを計画することは適切な対応です。
例えるならば、サッカーチームに必要なポジションのプレーヤーがいない場合に、練習を通じて育成していくようなものです。一方で、選択肢bやcのように「スキルより確保を優先」「計画段階で役割を明確にしない」といった方針は、プロジェクトの初期段階での不明確さを招き、リスクを高める原因となります。したがって、aのみが適切な選択となります。
イ(a, b, c):
bとcはいずれも不適切です。スキルよりも確保を優先する考え方は、適切な人材配置を軽視しており、計画段階で役割を明確にしないというのもプロジェクトのリスクを高める要因です。
ウ(a, c):
cが不適切です。計画段階で役割を明確にしないことは、実行フェーズで混乱を招きます。
エ(c):
cのみを選んでおり、完全に不適切です。計画段階での要員管理の基本を逸脱しています。
難易度
この問題は、プロジェクトの人的資源管理に関する基本的な考え方を問う内容で、プロジェクトマネジメントの基礎知識があれば正解しやすいレベルです。初学者にとっても、文章が比較的平易であり、適切・不適切の判断がしやすいため、難易度は低めです。
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用語補足
人的資源計画:
プロジェクトにおいて、必要なスキルを持つ要員を選定し、どのように配置・育成していくかを定める計画です。例えるなら、演劇における配役とリハーサルの計画です。
スキルマネジメント:
プロジェクト成功のために、メンバーが持つスキルを把握し、不足している場合は研修や補完措置を講じる活動です。
対策
人的資源計画に関する問題では、要員のスキルと役割の明確化、トレーニングの計画がポイントになります。プロジェクトの初期段階で計画の重要性を理解しておくことが正答率向上につながります。用語と目的をしっかり押さえましょう。