問題
問40
変更管理委員会が設置されているプロジェクトで変更要求が発生した場合の記述として、最も適切なものはどれか。
- 変更管理委員会では、プロジェクトに関わるステークホルダ以外の第三者によって変更要求が審議される。
- 変更管理委員会は、コストの増加や期日の延期を理由に変更要求を却下してよい。
- 変更管理委員会は、スコープに変更が発生しない範囲で変更要求を受け付けなければならない。
- 変更要求は、全てプロジェクトマネージャが承認した後に変更管理委員会で審議される。
[出典:ITパスポート試験 令和7年度 問40]
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正解
正解は「イ」です。
解説
変更管理委員会(Change Control Board: CCB)は、プロジェクトにおいて発生する変更要求の妥当性や影響を審議・判断するための組織です。プロジェクトの範囲(スコープ)、コスト、スケジュールなどに影響を与える変更は、適切に審査・承認される必要があります。
本問では「コストの増加や期日の延期を理由に変更要求を却下してよい」とする記述が正解です。これは、変更管理委員会が変更の影響を評価したうえで、プロジェクト全体に悪影響を及ぼすと判断すれば却下できるという正しい対応です。
現実のプロジェクトでも、コストや納期に制約があるため、すべての変更を受け入れることはできません。変更管理は、プロジェクトの成功を守るための重要なプロセスなのです。
ア(ステークホルダ以外の第三者が審議):
変更管理はプロジェクトに関与するステークホルダなどの関係者が行うものであり、無関係な第三者が判断を行うことは適切ではありません。
ウ(スコープに変更がない範囲のみ受付):
スコープに変更がある要求も、プロジェクトに影響が大きければ審議の対象とされます。スコープに関係するかどうかで受付を制限することはありません。
エ(全てPM承認後に審議):
変更要求は必ずしもプロジェクトマネージャが承認してから提出されるわけではありません。PMを含めた変更管理委員会が正式に判断します。
難易度
この問題は、変更管理の基本的な役割や手続きを理解していれば解けるレベルです。プロジェクトマネジメントにおける一般的な実務知識を問うもので、初心者でも基礎知識があれば対応できる内容です。
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用語補足
変更管理委員会(CCB):
プロジェクトで発生する変更要求に対して、影響度や妥当性を審査・承認するための組織です。プロジェクトマネージャやステークホルダがメンバーに含まれます。
スコープ:
プロジェクトで達成すべき成果や作業範囲のことを指します。変更要求の審査では、このスコープに対する影響も重要な判断基準となります。
対策
プロジェクトマネジメント分野の問題では、変更管理・リスク管理・進捗管理などの実務プロセスを理解することが鍵です。特に「変更管理委員会」の役割や判断基準は頻出ですので、具体的な事例とあわせて覚えると理解が深まります。