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ITパスポート試験 令和7年度 [問25] 過去問解説

問題

問25

ブロックチェーンを適用した事例として、最も適切なものはどれか。

  • 証券会社が、取引の改ざんや不整合の発生を防止することを目的として、従来の社債に代わり電子的手段を用いたデジタル社債を発行した。
  • 商品先物取引所を運営する認可法人が、取引量を拡大することを目的として、現在およそ1秒以上要している注文受付の応答時間を、1秒未満に改善した。
  • ビジネス路線を中心に運航する航空会社が、顧客の利便性向上と競合他社に対する競争力強化を目的として、出発1時間前まで何回でも予約の変更を可能とする新しいサービスを開始した。
  • 服飾雑貨製造会社が、自社の商品企画に活用することを目的として、過去の全ての自社商品に関する大量の画像及び社内会議の音声データをデータベースに保存し、従業員がいつでも検索できるようにした。

[出典:ITパスポート試験 令和7年度 問25]

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正解

正解は「」です。

解説

 ブロックチェーンは、取引記録などを改ざんできない形で分散管理できる技術であり、金融や証券分野で特にその有効性が注目されています。選択肢アでは、「証券会社が取引の改ざんや不整合の発生を防止する目的で、電子的手段を用いたデジタル社債を発行した」とあります。これは、取引情報をブロックチェーンで記録することで改ざんを防止し、透明性と信頼性を高める典型的な活用事例です。

 このように、金融商品の発行や流通にブロックチェーンを導入することで、記録の透明性を担保しながら管理コストの削減と取引の迅速化を実現する事例は増えています。一方、他の選択肢はブロックチェーンとは無関係な改善事例や技術活用であり、最も適切とは言えません。

イ(取引所が注文受付の応答時間を1秒未満に改善):
 これはシステムの高速化に関する改善であり、ブロックチェーン技術の使用とは関係ありません。

ウ(航空会社が予約変更可能なサービス開始):
 サービスの柔軟性や顧客利便性向上に関する施策であり、ブロックチェーンの活用ではありません。

エ(過去の自社商品画像や音声データをデータベースに保存):
 これはデータベース技術の活用による情報管理改善の例であり、ブロックチェーンは関係していません。

難易度

 本問題は、ブロックチェーンの基本的な用途や特徴を理解していれば正解にたどり着けるため、初学者にもやや易しい部類です。ただし、選択肢の中には「効率化」や「利便性向上」といった曖昧な改善事例も含まれており、技術ごとの適用場面を明確に区別できる知識が求められます。

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用語補足

ブロックチェーン:
 分散型台帳技術。複数のノードで取引情報などのデータを共有し、過去の記録が改ざんされない仕組みです。例としては、仮想通貨やスマートコントラクト、デジタル証券の管理などがあります。

デジタル社債:
 従来の紙ベースの社債に代わり、ブロックチェーンなどの電子的手段を用いて発行される社債です。発行から取引、償還までをデジタルで処理することで、取引の透明性や効率性が高まります。

対策

 ブロックチェーンが活用される代表的な分野(金融、証券、契約管理など)を把握し、他のIT技術(AI、IoT、データベース)との使い分けができるようにしましょう。特に、具体的な導入事例を通じて「何のために使われる技術か」を意識して学習することが重要です。


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