問題
問20
ソフトウェアライフサイクルを企画プロセス、要件定義プロセス、開発プロセス、保守プロセスに分けたとき、企画プロセスのシステム化構想の立案時にベンダー企業から収集する情報として、最も適切なものはどれか。
- システム化計画に基づいた開発コストの見積り
- システム化する業務の分野に関する情報技術動向
- システム構築を進めるに当たっての発注元企業の役割
- ベンダー企業の技術者が保有している技術資格
[出典:ITパスポート試験 令和7年度 問20]
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正解
正解は「イ」です。
解説
企画プロセスは、システム開発の最初の段階であり、システム化の目的や方針を明確にして構想を立案する重要なフェーズです。この段階では、開発するシステムが対応する業務や環境の変化、そして将来を見据えた情報技術の動向を把握することが求められます。
そのため、ベンダー企業に対して「システム化する業務の分野に関する情報技術動向」などの提供を求めるのは非常に適切です。たとえば、AIやクラウド、IoTといった技術が今後どのように活用できるかといった動向を知ることで、より現実的かつ効果的なシステム化構想が可能になります。
一方で、開発コストの見積りは開発プロセスに近い段階、発注元企業の役割はプロジェクト体制に関するものであり、技術者の資格情報は保守や開発の品質管理に関係するため、本問の「企画プロセス」においては適切ではありません。
ア(システム化計画に基づいた開発コストの見積り):
これは要件定義または開発プロセスでの詳細な見積作成に関連する情報であり、企画段階で収集する情報としては時期尚早です。
ウ(発注元企業の役割):
これはシステム開発プロジェクトの体制構築に関する内容であり、企画段階でベンダーから収集する情報ではありません。
エ(技術者が保有している技術資格):
これはベンダー選定や品質評価の一環として重視されるべき情報であり、システム構想の立案とは直接関係がありません。
難易度
この問題は、システム開発の各プロセスとそこで取り扱う情報内容を正しく理解していれば難なく正解できるレベルです。基本用語やプロセスの流れを理解しているかを確認する典型的な出題であり、難易度は「やさしい〜ふつう」といえます。
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用語補足
企画プロセス:
情報システムを導入する前に、システム化の目的・方針・範囲を定めるプロセスで、経営戦略や業務改善方針と連携して構想をまとめる段階です。
情報技術動向:
今後普及・拡大が期待されるIT技術(例:AI、クラウド、IoTなど)の最新情報や、業務での活用が見込まれる技術トレンドのことです。技術選定に大きく影響します。
対策
ソフトウェアライフサイクルにおける各プロセス(企画・要件定義・開発・運用保守)の役割と、そこで取り扱う情報の種類を理解しておくことが重要です。特に企画段階で何をベンダーから得るべきかを押さえておくと、関連する問題に強くなります。