問題
問18
ITにおけるアクセシビリティに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 高齢者や障害者などを含め、様々な能力や特性をもつ幅広い層の人が等しく利用できるように配慮したソフトウェア製品の設計
- 顧客データを基に顧客を識別し、コールセンターやインターネットなどの様々なチャネルを用いて顧客との関係を深める手法
- 製品、システム、サービスなどにおいて、それらを使用する場面をイメージしたり実際に利用したりすることで得られる人の感じ方や反応
- 特定のファイルやデータベースなどの情報資産に対し、参照や更新などの権限の認可や制限を確実にする手段
[出典:ITパスポート試験 令和7年度 問18]
スポンサーリンク
正解
正解は「ア」です。
解説
アクセシビリティとは、高齢者や障害者を含むすべての人が、情報機器やサービスを平等に利用できるようにする考え方および設計方針のことです。情報システムやソフトウェアの設計においては、年齢や身体能力、使用環境などに左右されず、すべての人が利用しやすいようにする配慮が求められます。
たとえば、視覚障害者のために画面読み上げ機能を付けたり、色覚異常に対応した配色を行うなどがアクセシビリティの具体例です。
本問の選択肢アは、「高齢者や障害者などを含め、様々な能力や特性をもつ幅広い層の人が等しく利用できるように配慮したソフトウェア製品の設計」と述べており、アクセシビリティの定義を正確に表現しています。これが正解です。
イ(顧客データを基に…顧客との関係を深める手法):
これはCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)に関する説明であり、アクセシビリティとは異なります。
ウ(使用場面をイメージして得られる人の感じ方や反応):
これはユーザビリティやUX(ユーザーエクスペリエンス)の内容にあたり、アクセシビリティとは異なる概念です。
エ(情報資産への参照や更新の認可や制限):
これはアクセス制御や認証・認可に関するセキュリティの内容であり、アクセシビリティとは無関係です。
難易度
本問題は、アクセシビリティの定義を理解していれば容易に解ける問題です。ただし、ユーザビリティやアクセス制御などの用語と混同しやすいため、初心者にとってはやや引っかかりやすい箇所もあります。用語の意味をしっかり整理しておけば、難易度はやさしい部類に入ります。
スポンサーリンク
用語補足
アクセシビリティ:
情報機器やサービスを、年齢・身体的制約・知的能力に関係なく誰もが等しく使えるようにする設計や配慮のこと。例:音声読み上げ、字幕表示、大きなボタンの設計など。
ユーザビリティ:
利用者にとって使いやすいかどうかという観点で、操作のしやすさや理解のしやすさを評価する概念。例:直感的に操作できるインターフェース。
対策
アクセシビリティ、ユーザビリティ、セキュリティといったIT用語は意味が近く感じられるため、混同しがちです。それぞれの目的や適用対象を明確に区別して理解することが大切です。具体的な製品例や設計例とあわせて学ぶと、実践的な理解が深まります。