問題
問17
プロセスマイニングに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 一連の業務で実際に遂行したシステムの操作ログなどを収集し、現行の業務プロセスの可視化、分析、モニタリングによって業務の課題を特定して改善を図る手法やツールである。
- 業務プロセスをそれまでの習慣などにとらわれず、抜本的に再構築して業務効率の改善を図る手法である。
- コンタクトセンターへの問合せ内容やSNSの投稿内容の分析などの業務プロセスで用いられる、膨大な文章データから必要な情報を抽出して分析する手法である。
- 大量の計算処理で正しい値を算出する一連のプロセスを通じて、暗号資産を取得する手段である。
[出典:ITパスポート試験 令和7年度 問17]
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正解
正解は「ア」です。
解説
プロセスマイニングとは、業務システムに蓄積された操作ログやイベントログを活用し、実際に行われている業務プロセスを可視化・分析する技術や手法のことです。これにより、業務上のボトルネックや無駄な処理、逸脱などを発見し、業務改善のための判断材料を得ることが可能になります。選択肢アはその特徴を正しく説明しており、プロセスマイニングの定義として最も適切です。
例えば、社内の経費申請システムの操作ログを分析することで、どのステップで処理が滞っているか、特定の担当者で遅延が発生していないかなどを把握し、改善のための具体的な対策を検討できます。これは従来の業務フロー図などの主観的な記述では分からなかった客観的なデータに基づいた業務分析を可能にするものであり、近年注目されています。
イ(業務プロセスをそれまでの習慣などにとらわれず…):
これはBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)の説明であり、プロセスマイニングとは異なります。
ウ(コンタクトセンターやSNSの投稿内容…):
これはテキストマイニングに該当する内容であり、文章データの解析を目的とした手法です。
エ(大量の計算処理で…暗号資産を取得):
これはブロックチェーン技術に基づく「暗号資産(仮想通貨)のマイニング」の説明であり、本問のプロセスマイニングとは無関係です。
難易度
この問題は、プロセスマイニングと他の類似するIT用語(BPR、テキストマイニング、仮想通貨のマイニング)との違いを正確に把握できているかが問われる問題です。基本的な用語知識があれば正解できますが、語句が似ているため混同しやすく、初学者にとっては中程度の難易度といえます。
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用語補足
プロセスマイニング:
業務システムに記録されたログデータを使って、実際の業務の流れを分析・可視化し、業務改善に役立てる技術や手法です。例:申請処理が特定部門で遅れている原因を特定する。
テキストマイニング:
SNSやメールなどの非構造化された文章データから、必要な情報や傾向を抽出して分析する技術。例:顧客のクレーム内容を分類して対応の優先順位を付ける。
対策
プロセスマイニングは、プロセスの「見える化」と改善に関する代表的な手法として、近年注目されています。BPRやテキストマイニングなどの類似用語と混同しないよう、それぞれの定義や目的、使われる場面を整理して理解しておくことが重要です。過去問や実務での活用事例を通じて、用語の実践的なイメージを持つことが効果的です。