問題
問1
A社がB社に作業の一部を請負契約で委託している。作業形態a～cのうち、いわゆる偽装請負とみなされる状態だけを全て挙げたものはどれか。
- a B社の従業員が、A社内において、A社の責任者の指揮命令の下で、請負契約で取り決めた作業を行っている。
- b B社の従業員が、A社内において、B社の責任者の指揮命令の下で、請負契約で取り決めた作業を行っている。
- c B社の従業員が、B社内において、A社の責任者の指揮命令の下で、請負契約で取り決めた作業を行っている。
- a
- a, b
- a, c
- b, c
[出典：ITパスポート試験 令和7年度 問1]
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正解
正解は「ウ」です。
解説
正解は「ウ(a, c)」です。偽装請負とは、請負契約を装いながら実質的に派遣労働と同じ状態になることを指します。具体的には、発注元（A社）が請負先（B社）の従業員を直接指揮命令する場合が該当します。
選択肢aとcは、A社の責任者がB社従業員を直接指揮しているため、偽装請負とみなされます。一方、選択肢bはB社の責任者が指揮しているため、真の請負契約です。偽装請負は労働基準法違反となるため、契約形態と実態が一致していることが重要です。
ア(a):
選択肢aのみでは不十分です。cも偽装請負に該当するため、両方を含む「ウ」が正解です。
イ(a, b):
選択肢bはB社の指揮下にあるため偽装請負ではありません。aとbの組み合わせは誤りです。
エ(b, c):
選択肢bは問題ない形態です。cは偽装請負ですが、bを含むため誤りです。
難易度
難易度は「中級」です。偽装請負の概念は労働法規に関連するため、法律知識が少し必要です。ただし、指揮系統の違い（A社かB社か）に注目すれば判断できるため、初心者でも理解可能な範囲です。業務経験があるとイメージしやすいですが、初めて学ぶ人は「指揮命令権の所在」をキーワードに覚えると良いでしょう。
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用語補足
請負契約：
業務の完成を目的とした契約で、発注元は結果のみを要求します。例：建設会社がビル建設を請け負う場合。
偽装請負：
請負形式をとりながら実質的に派遣労働を行う違法行為です。例：A社がB社従業員を自社のデスクで直接指導して業務をさせる状態。
対策
対策として、以下のポイントを押さえましょう。1.「指揮命令権の所在」が発注元か請負先かを明確に区別すること。2.労働基準法の「偽装請負」定義（直接指揮・業務の一体性など）を確認すること。3.過去問で類似ケース（例：現場管理の責任者区分）を繰り返し解くこと。業務シナリオ問題では、契約形態と実際の作業状況のズレに注目するのがコツです。
