問題
問52
システム開発プロジェクトにおいて、新機能の追加要求が変更管理委員会で認可された後にプロジェクトスコープマネジメントで実施する活動として、適切なものはどれか。
- 新機能を追加で開発するためにWBSを変更し、コストの詳細な見積りをするための情報として提供する。
- 新機能を追加で開発するためのWBSのアクティビティの実行に必要なスキルを確認し、必要に応じてプロジェクトチームの能力向上を図る。
- 変更されたWBSに基づいてスケジュールを作成し、完了時期の見通しを提示する。
- 変更されたWBSに基づいて要員の充足度を確認し、必要な場合は作業の外注を検討する。
[出典:ITパスポート試験 令和6年度 問52]
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正解
正解は「ア」です。
解説
正解の選択肢「ア」は、変更管理委員会で新機能の追加が認可された後に実施されるべき「プロジェクトスコープマネジメント」の重要な活動を正確に表しています。プロジェクトスコープマネジメントでは、プロジェクトのWBS (Work Breakdown Structure: 作業分解構成図) を変更し、それを元にコストやリソースの見積りを行います。これにより、プロジェクトの進行に必要な追加のリソースや予算の確保が可能になります。
イ(新機能を追加で開発するためのWBSのアクティビティの実行に必要なスキルを確認し、必要に応じてプロジェクトチームの能力向上を図る):
プロジェクトチームのスキル確認や能力向上は、主に人的資源マネジメントの領域に該当します。スコープマネジメントの直接的な活動ではありません。
ウ(変更されたWBSに基づいてスケジュールを作成し、完了時期の見通しを提示する):
スケジュール作成はタイムマネジメントの範囲であり、スコープマネジメントの主な活動ではありません。
エ(変更されたWBSに基づいて要員の充足度を確認し、必要な場合は作業の外注を検討する):
要員確認や外注の検討は、人的資源マネジメントや調達マネジメントの範囲に該当し、スコープマネジメントの直接的な活動とは言えません。
難易度
普通
この問題は、プロジェクトスコープマネジメントの基本的な内容を理解していれば解答できる問題です。しかし、選択肢がプロジェクトマネジメントの他の領域と混同しやすいため、基本的な知識を確実に押さえておく必要があります。
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用語補足
プロジェクトスコープマネジメント:
プロジェクトスコープマネジメントとは、プロジェクトで実施する作業範囲を定義し、その範囲を管理する活動を指します。変更管理後には、WBSを更新し、必要なリソースやコストの見積りを実施します。
WBS (Work Breakdown Structure):
WBSとは、プロジェクトで実施するすべての作業を階層的に分解した構造図のことです。作業を細分化することで、見積りや進捗管理がしやすくなります。
変更管理委員会:
プロジェクトにおける変更を承認する組織やメンバーの集まりです。追加機能やスコープ変更などが必要な場合、委員会で認可を受けることが必要です。
対策
- プロジェクトスコープマネジメントの活動範囲を理解し、他のプロジェクトマネジメント領域(タイムマネジメントや人的資源マネジメントなど)と区別できるようにする。
- WBSの役割や更新プロセスについて学び、変更管理後の具体的な対応方法を理解する。
- 変更管理委員会の目的や役割を押さえ、プロジェクト変更に伴う手続きを理解する。