問題
問51
システム開発プロジェクトにおいて、テスト中に発見された不具合の再発防止のために不具合分析を行うことにした。テスト結果及び不具合の内容を表に記入し、不具合ごとに根本原因を突き止めた後に、根本原因ごとに集計を行い発生頻度の多い順に並べ、主要な根本原因の特定を行った。ここで利用した図表のうち、根本原因を集計し、発生頻度順に並べ棒グラフで示し、累積値を折れ線グラフで重ねて示したものはどれか。
- 散布図
- チェックシート
- 特性要因図
- パレート図
[出典:ITパスポート試験 令和6年度 問51]
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正解
正解は「エ」です。
解説
パレート図は、不具合の根本原因を発生頻度順に並べた棒グラフと、その累積値を示す折れ線グラフを組み合わせた図表です。この図表を使用すると、不具合の発生頻度が高い主要な根本原因を特定しやすくなります。パレート図は、「少数の原因が大多数の問題を引き起こす」というパレートの法則に基づき、改善対象の優先順位を視覚的に示す際に役立ちます。
ア(散布図):
散布図は、2つの変数の相関関係を視覚的に示すための図表です。例えば、エラー発生率と温度のように、特定の要因が結果にどのような影響を与えるかを分析する際に用います。この問題のように発生頻度を棒グラフと折れ線グラフで示すことには向きません。
イ(チェックシート):
チェックシートは、不具合の発生頻度や発生場所などを記録するために使われます。不具合の記録には役立ちますが、発生頻度順に並べたり、累積値を示したりする目的には適しません。
ウ(特性要因図):
特性要因図は、原因と結果の関係を視覚化するための図表です。問題の原因を分類し、結果にどのように影響しているかを示しますが、発生頻度を集計したり累積値を示したりする機能はありません。
難易度
普通
パレート図の基本的な使い方を理解していれば容易に解けますが、選択肢に含まれる他の図表との違いを正確に把握していないと迷う可能性があるため、難易度は「普通」としました。
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用語補足
パレート図:
パレート図は、項目ごとの頻度や重要度を棒グラフで示し、さらに累積割合を折れ線グラフで示す図表です。特に問題の優先順位を視覚的に把握するのに役立ちます。
パレートの法則:
全体の結果の80%は、原因の20%によって引き起こされるという経験則です。この法則に基づき、パレート図が使用されます。
特性要因図:
結果に影響を与える要因を分類し、体系的に整理する図表です。魚の骨の形状に似ているため「フィッシュボーンダイアグラム」とも呼ばれます。
対策
- 代表的な図表(散布図、チェックシート、特性要因図、パレート図)の特徴や使い方をそれぞれ明確に理解しておく。
- パレート図の読み方や、どのような場面で活用されるかを具体的な例とともに学習する。
- 他の図表との違いを比較し、適切な場面で使い分けられるようにする。