問題
問49
ソフトウェア開発プロジェクトにおける、コストの見積手法には、積み上げ法、ファンクションポイント法、類推見積法などがある。見積りで使用した手法とその特徴に関する記述a~cの適切な組合せはどれか。
- a :プロジェクトに必要な個々の作業を洗い出し、その作業ごとの工数を見積もって集計する。
- b :プロジェクトの初期段階で使用する手法で、過去の事例を活用してコストを見積もる。
- c :データ入出力や機能に着目して、ソフトウェア規模を見積もり、係数を乗ずるなどしてコストを見積もる。

[出典:ITパスポート試験 令和6年度 問49]
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正解
正解は「ア」です。
解説
積み上げ法、ファンクションポイント法、類推見積法の3つの手法について、それぞれ適切な記述を選択します。
- 積み上げ法(a)
- 概要:
ソフトウェア開発に必要な個々の作業を詳細に洗い出し、それぞれの工数を見積もる方法です。 - 適用:
・詳細な作業が決まっているプロジェクトで利用される
・正確な見積もりが可能だが、作業分解に時間がかかる
・プロジェクトの後半でより精度の高い見積もりが可能
→ 「プロジェクトに必要な個々の作業を洗い出し、その作業ごとの工数を見積もって集計する。」が該当します。
- 概要:
- ファンクションポイント法(c)
- 概要:
ソフトウェアのデータ入出力や機能の規模に着目し、計測されたポイントに係数を掛けて見積もる方法です。機能の複雑さや、外部とのデータ連携の数を考慮し、開発工数を算出します。 - 適用:
・プロジェクトの中盤~後半で正確な見積もりが可能
・開発規模を比較的客観的に評価できる
→ 「データ入出力や機能に着目して、ソフトウェア規模を見積もり、係数を乗ずるなどしてコストを見積もる。」が該当します。
- 概要:
- 類推見積法(b)
- 概要:
過去の類似プロジェクトの実績をもとに、統計的な手法を用いて見積もる方法です。プロジェクトの初期段階で、詳細が不明な場合に用いられることが多いです。 - 適用:
・初期段階で大まかな見積もりを行う際に便利
・過去のプロジェクトのデータが必要
・詳細な要件が決まると、より正確な手法に切り替える必要がある
→ 「プロジェクトの初期段階で使用する手法で、過去の事例を活用してコストを見積もる。」が該当します。
- 概要:
イ (b – 積み上げ法 / a – ファンクションポイント法 / c – 類推見積法):
bは類推見積法、aは積み上げ法であるため、誤りです。
ウ (c – 積み上げ法 / a – ファンクションポイント法 / b – 類推見積法):
cはファンクションポイント法の特徴であるため、誤りです。
エ (c – 積み上げ法 / b – ファンクションポイント法 / a – 類推見積法):
cは積み上げ法ではなく、ファンクションポイント法の特徴であるため、誤りです。
難易度
普通
この問題は、コスト見積もり手法に関する基本的な知識が必要で、初学者にとってはやや考えさせられる可能性があります。ただし、手法ごとの特徴をしっかり覚えていれば、難しくはありません。
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用語補足
積み上げ法:
個々の作業を洗い出し、各作業の工数を見積もって合計する方法です。詳細な計画を立てられるプロジェクトに向いています。
ファンクションポイント法:
ソフトウェアの機能(入出力やデータの処理)に基づき、一定の係数を乗じて規模や工数を見積もる方法です。ソフトウェア開発の規模評価に用いられます。
類推見積法:
過去の類似プロジェクトのデータを基に見積もりを行う方法です。プロジェクトの初期段階など詳細情報が揃っていない状況で有効です。
対策
- 各コスト見積もり手法の特徴を整理して覚えておくこと。
- 過去問を活用して、手法ごとの適切な適用例を理解すること。
- 実際のプロジェクトの事例を調べて、各手法の使用状況をイメージしやすくする。
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