問題
問23
A社はRPAソフトウェアを初めて導入するに当たり、計画策定フェーズ、先行導入フェーズ、本格導入フェーズの3段階で進めようと考えている。次のうち、計画策定フェーズで実施する作業として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a:RPAソフトウェアの適用可能性を見極めるための概念検証を実施する。
b:RPAソフトウェアを全社展開するための導入と運用の手順書を作成する。
c:部門、業務を絞り込んでRPAソフトウェアを導入し、効果を実測する。
- a
- a, c
- b
- b, c
[出典:ITパスポート試験 令和6年度 問23]
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正解
正解は「ア」です。
解説
計画策定フェーズでは、RPAソフトウェアが適用可能であるかを判断することが重要です。このため、概念検証(PoC: Proof of Concept)を実施して、適用できる業務範囲や期待効果を確認します。これにより、導入に適した業務プロセスを特定し、投資対効果を見極めることができます。
- イ (a, c):
c(部門、業務を絞り込んで導入し、効果を実測する)は先行導入フェーズに該当します。この段階では、小規模な範囲で実際にRPAを導入し、その効果を測定することで、本格展開に向けた検証を行います。そのため、計画策定フェーズでは実施されません。 - ウ (b):
b(全社展開のための手順書を作成する)は本格導入フェーズの活動です。本格導入フェーズでは、手順書の整備や全社展開を進めるための体制づくりが行われます。計画策定フェーズでは、導入の可否や対象業務の選定が中心となります。 - エ (b, c):
b(手順書の作成)とc(効果を実測する)は、それぞれ本格導入フェーズと先行導入フェーズに該当します。そのため、どちらも計画策定フェーズの作業ではありません。
難易度
普通
RPA導入の各フェーズにおける具体的な活動内容を理解していれば正解できる問題です。ただし、RPA導入に不慣れな場合や、フェーズごとの具体的な活動内容が曖昧だと誤答する可能性があります。
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用語補足
RPA(Robotic Process Automation):
ソフトウェアロボットを利用して、定型的な業務プロセスを自動化する仕組みです。例えば、請求書データの処理や定期的なレポート作成がRPAで自動化可能です。
概念検証(Proof of Concept, PoC):
新しい技術やソリューションを導入する際、その適用可能性を検証する小規模な試行プロジェクトです。例えば、RPAで経費精算処理が自動化可能かを少量のデータで試してみることが該当します。
先行導入フェーズ:
本格展開に先立ち、特定の部門や業務においてRPAを小規模に導入し、実際の効果を測定するフェーズです。これにより、本格導入のリスクを低減できます。
本格導入フェーズ:
RPAを全社的に展開するフェーズです。この段階では、運用ルールの整備や社内教育なども含まれます。
対策
- RPA導入プロセスを「計画策定」「先行導入」「本格導入」の3つのフェーズに分け、それぞれのフェーズで実施する内容を整理して覚えておくと良いです。
- 概念検証や先行導入、本格導入の具体的な活動例を学び、試験で適切な選択肢を選べるようにしておきましょう。
- 過去問や類似問題を繰り返し解き、RPA導入の流れを正確に理解することが重要です。