問題
問12
AI に関するガイドラインの一つである“人間中心の AI 社会原則” に定められている七つの “AI 社会原則” のうち、“イノベーションの原則” に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- AIの発展によって人も併せて進化するように、国際化や多様化を推進し、大学、研究機関、企業など、官民における連携と、柔軟な人材の移動を促進する。
- AIの利用がもたらす結果については、問題の特性に応じて、AIの開発、提供、利用に携わった関係者が分担して責任を負う。
- サービスの提供者は、AIを利用している事実やデータの取得方法や使用方法、結果の適切性について、利用者に対する適切な説明を行う。
- 情報弱者を生み出さないために、幼児教育や初等中等教育において、AI活用や情報リテラシーに関する教育を行う。
[出典:ITパスポート試験 令和6年度 問12]
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正解
正解は「ア」です。
解説
ア (AIの発展によって人も併せて進化するように、国際化や多様化を推進し、大学、研究機関、企業など、官民における連携と、柔軟な人材の移動を促進する)
「イノベーションの原則」は、AI技術の発展とともに、人間社会の進化を目指し、国際的かつ多様な連携を促進することを目的としています。大学や企業、研究機関が連携し、柔軟な人材移動を通じて、新しい技術の発展とそれによる恩恵を共有する取り組みが該当します。この選択肢はこれに当てはまります。
- イ (責任分担の記述):
これは「説明責任の原則」に該当します。AIの利用結果や問題点に対して、関係者が分担して責任を持つことを定めた内容であり、イノベーションの原則とは異なります。 - ウ (利用者への説明の記述):
これは「透明性の原則」に該当します。AIを利用していることやデータの利用方法を適切に説明することを求めた内容であり、イノベーションの原則ではありません。 - エ (教育や情報リテラシーの記述):
これは「包摂性の原則」に該当します。すべての人がAIの恩恵を享受できる社会を目指し、情報弱者を生まないための取り組みを指します。イノベーションの原則ではありません。
難易度
普通
人間中心のAI社会原則の各原則を理解していれば解ける問題ですが、「イノベーションの原則」と他の原則との混同が起きやすいため、特定には基礎知識が必要です。
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用語補足
人間中心のAI社会原則
- 概要: 日本政府が定めたAI社会のガイドラインで、人間中心の視点でAIの開発・利用を進めるための指針です。七つの原則があります。
- イノベーションの原則
- 人権尊重の原則
- 公平性の原則
- 透明性の原則
- 説明責任の原則
- 安全性の原則
- 包摂性の原則
イノベーションの原則
- 概要: 技術革新の促進を目的とし、国際的・多様な連携を通じて新しい価値を創造することを重視します。
- 例: 大学や企業が共同でAI研究を行い、新しいAI技術を社会全体に普及させる取り組み。
透明性の原則
- 概要: AIの利用者がその仕組みや影響を理解できるよう、適切な情報を提供することを求めます。
- 例: AIを活用した医療診断システムが、診断結果を出す根拠を説明する。
説明責任の原則
- 概要: AIの開発者や利用者が、その利用結果や影響について責任を分担し、適切に説明する義務を負います。
- 例: AIが引き起こした事故に対して、関連企業が責任を明確化する。
包摂性の原則
- 概要: AIがすべての人に平等に利用され、誰も取り残さない社会を目指すこと。
- 例: AI教育を地域格差なく提供する。
対策
- 七つの原則を理解する
人間中心のAI社会原則は試験頻出テーマのため、それぞれの原則の内容と具体例を整理しましょう。 - 紛らわしい記述を見分ける練習をする
各原則が持つキーワード(例: イノベーション=技術革新、多様性)を押さえ、似た内容との区別を明確にしましょう。 - 具体例を通じて覚える
理解を深めるために、実際のAI活用事例と原則を結びつけて考えるのがおすすめです。
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