問題
問70
Webサービスなどにおいて、信頼性を高め、かつ、利用者からの多量のアクセスを処理するために、複数のコンピュータを連携させて全体として一つのコンピュータであるかのように動作させる技法はどれか。
- クラスターリング
- スプーリング
- バッファリング
- ミラーリング
[出典:ITパスポート試験 令和5年度 問70]
正解
正解は「ア」です。
解説
クラスターリングとは、複数のコンピュータを連携させ、一つのシステムとして動作させる技術です。この技術を用いることで、システムの信頼性や可用性を向上させることができます。例えば、クラスタリングを活用することで、あるサーバーが故障しても別のサーバーがその役割を引き継ぎ、システム全体としてのダウンタイムを最小限に抑えることができます。
イ(スプーリング):
スプーリングは、処理能力を効率的に利用するためにデータを一時的に蓄積し、順番に処理する技術です。プリンターのジョブ管理などで利用されますが、複数のコンピュータを連携させる技術ではありません。
ウ(バッファリング):
バッファリングは、一時的にデータを蓄えることで、処理の効率化を図る技術です。例えば、動画のストリーミング時にデータを一時的に保持し、スムーズな再生を可能にするなどの用途がありますが、クラスターリングのように複数のコンピュータを連携させるものではありません。
エ(ミラーリング):
ミラーリングは、データの冗長性を確保するために、同じデータを複数のストレージに保存する技術です。クラスターリングのようにコンピュータ全体の処理能力を向上させるものではなく、主にデータの保護を目的としています。
難易度
普通
クラスターリングは、システムの負荷分散や冗長化を実現するために重要な技術であり、ITの基礎知識として知っておくべき概念です。しかし、スプーリングやミラーリングなどの類似概念と混同しやすいため、やや注意が必要です。
用語補足
クラスターリング:
複数のコンピュータを連携させ、一つのシステムのように動作させる技術です。負荷分散や冗長性の向上を目的とし、特にサーバーシステムにおいて広く活用されています。
負荷分散:
システムへの処理要求を複数のコンピュータに分散させることで、一台のコンピュータに過剰な負担がかからないようにする技術です。クラスターリングやロードバランサーを活用することで実現されます。
対策
- システムの負荷分散技術や冗長化技術について学習し、それぞれの目的や用途を理解しておくことが重要です。
- クラスターリングと類似の技術(スプーリング、バッファリング、ミラーリング)を比較し、それぞれの特徴を整理しておくと問題を解きやすくなります。
- 実際のクラウドシステムやデータセンターなどの事例を調査し、クラスター技術がどのように活用されているかを理解すると実践的な知識が身につきます。


