問題
問68
インターネット上のコンピュータでは、Webや電子メールなど様々なアプリケーションプログラムが動作し、それぞれに対応したアプリケーション層の通信プロトコルが使われている。これらの通信プロトコルの下位にあり、基本的な通信機能を実現するものとして共通に使われる通信プロトコルはどれか。
- FTP
- POP
- SMTP
- TCP/IP
[出典:ITパスポート試験 令和5年度 問68]
スポンサーリンク
正解
正解は「エ」です。
解説
インターネット上での通信は、複数の通信プロトコルが階層的に組み合わさることで実現されています。その中でも「TCP/IP」は、すべてのインターネット通信の基盤となるプロトコルであり、Webやメールなどのアプリケーションが利用するプロトコルの下位に位置し、基本的な通信機能を提供します。
TCP/IPは「Transmission Control Protocol/Internet Protocol」の略で、データの送信制御やルーティングなどの役割を担います。具体的には、IP(Internet Protocol)がパケットの送信やルーティングを担当し、TCP(Transmission Control Protocol)がデータの信頼性を確保する役割を果たします。
一方、FTP(File Transfer Protocol)、POP(Post Office Protocol)、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)は、いずれもアプリケーション層のプロトコルであり、インターネット通信の基盤となるTCP/IPの上位で動作します。したがって、共通して使われる基本的な通信プロトコルとして適切なのはTCP/IPです。
ア(FTP):
FTPはファイルを転送するためのプロトコルであり、アプリケーション層に属します。基本的な通信機能を提供するTCP/IPの下位プロトコルではありません。
イ(POP):
POPは電子メールを受信するためのプロトコルで、主にメールクライアントがサーバからメールを取得する際に使用されます。TCP/IPの上に位置するアプリケーション層のプロトコルです。
ウ(SMTP):
SMTPはメールを送信するためのプロトコルで、電子メールの送信や中継に使用されます。POPと同様にアプリケーション層に属するため、TCP/IPの下位プロトコルではありません。
難易度
易しい
TCP/IPはITパスポート試験において頻出の基本的な通信プロトコルであり、他の選択肢がアプリケーション層のプロトコルであることを知っていれば容易に判断できます。
スポンサーリンク
用語補足
TCP/IP:
インターネットを構成する基本的な通信プロトコル群のことです。TCPは信頼性のあるデータ転送を、IPはパケットの送信経路の制御を担当します。
アプリケーション層プロトコル:
インターネット上で特定の機能を提供するためのプロトコルのことです。例えば、FTPはファイル転送、POPはメール受信、SMTPはメール送信の役割を果たします。
対策
- ネットワークの基本的な構造を理解し、プロトコルの階層構造を把握しておくと、類似問題にも対応しやすくなります。
- TCP/IPが基本的な通信機能を提供するプロトコルであることを押さえ、アプリケーション層のプロトコルとの違いを整理しましょう。
- FTP、POP、SMTPなどの具体的な用途とTCP/IPの関係を図解で学ぶと理解が深まります。