問題
問50
内部統制において、不正防止を目的とした職務分掌に関する事例として、最も適切なものはどれか。
- 申請者は自身の申請を承認できないようにする。
- 申請部署と承認部署の役員を兼務させる。
- 一つの業務を複数の担当者が手分けして行う。
- 一つの業務を複数の部署で分散して行う。
[出典:ITパスポート試験 令和5年度 問50]
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正解
正解は「ア」です。
解説
職務分掌とは、不正防止や業務の適正化を目的として、企業内で業務を適切に分担する仕組みです。特に、内部統制においては「不正を防止し、適切な業務遂行を確保する」ために、申請・承認・監査といった役割を分けることが重要です。
「申請者は自身の申請を承認できないようにする」ことで、特定の個人が独断で承認を行うリスクを排除し、不正の発生を防ぐことができます。この仕組みを「職務の分離」と呼び、企業の内部統制において重要な対策の一つです。そのため、正解は「ア」です。
イ(申請部署と承認部署の役員を兼務させる):
役員が複数の役割を兼務すると、不正のリスクが増大するため、不適切な事例です。
ウ(一つの業務を複数の担当者が手分けして行う):
これは業務の効率化を目的とした「作業分担」であり、不正防止を主目的とする職務分掌とは異なります。
エ(一つの業務を複数の部署で分散して行う):
業務の冗長化につながるため、適切な統制にはなりません。統制目的ではなく、BCP(事業継続計画)の観点で使われることが多い手法です。
難易度
やや易しい
職務分掌は内部統制の基本概念であり、比較的理解しやすい問題です。特に、申請と承認を分離することは一般的なルールであるため、基本的な知識があれば解答しやすい問題です。
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用語補足
職務分掌:
業務の遂行を適切に分担し、不正防止や内部統制を実現する仕組みです。例えば、会計処理の際に支払担当と承認担当を分離することで、不正支出を防ぐことができます。
内部統制:
企業が適正かつ効率的に業務を遂行するための管理手法の一つです。財務報告の信頼性確保、不正防止、業務の効率化などを目的とし、職務分掌や監査体制の整備などを含みます。
対策
- 職務分掌と内部統制の関係を理解し、適切な分担の仕組みを学びましょう。
- 申請・承認・監査の役割がどのように分かれているかを具体的な業務フローで確認しましょう。
- 過去問を活用し、内部統制に関する問題を反復学習することで、確実に知識を定着させましょう。