問題
問8
ある業務システムの再構築に関して、複数のベンダにその新システムの実現イメージの提供を求めるRFIを予定している。その際、同時にベンダからの提出を求める情報として、適切なものはどれか。
- 現行システムの概要
- システム再構築の狙い
- 新システムに求める要件
- 適用可能な技術とその動向
[出典:ITパスポート試験 令和4年度 問8]
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正解
正解は「エ」です。
解説
RFI(Request for Information:情報提供依頼)は、新たなシステム導入や再構築を検討する際に、ベンダからの情報収集を目的として行われるものです。RFIの主な目的は、技術動向の把握や、どのようなソリューションが市場にあるのかを知ることです。
今回の問題では、システムの再構築を行う際に「ベンダからの情報提供を求める」ことが求められています。ベンダに依頼する情報として最も適切なのは「適用可能な技術とその動向」です。これは、ベンダが提供できる技術や今後のトレンドを知ることで、最適な技術選定やシステム構築の方向性を決めるために必要だからです。特に、システム再構築の段階では、既存システムの制約にとらわれず、より最新の技術や今後の発展が見込める技術を採用できるよう情報を集めることが重要です。
現行システムの概要:
現行システムの概要は、新システムの設計に必要な情報ですが、RFIの目的である「新たな技術の情報収集」とは異なります。この情報は、システムの現状把握には役立ちますが、ベンダ側が提供する情報としては適切ではありません。
システム再構築の狙い:
システム再構築の目的や意図は、企業側が内部で定義するものであり、ベンダに求める情報ではありません。RFIでは、ベンダが持つ技術やノウハウを知ることが目的のため、この選択肢は適切ではありません。
新システムに求める要件:
新システムに求める要件は、通常、要件定義フェーズで整理される情報であり、RFIの段階ではまだ明確でないことが多いです。RFIでは、技術的な可能性を探る段階のため、この情報をベンダに求めるのは適切ではありません。
難易度
普通
RFIに関する基礎知識があれば解ける問題ですが、実際の業務での経験がないと「ベンダに求める情報」と「自社で準備する情報」の違いを混同しやすいため、初心者にはやや戸惑う可能性があります。
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用語補足
RFI(情報提供依頼):
RFI(Request for Information)は、システム導入の初期段階で市場の技術動向やベンダの提供するソリューションを把握するために行う情報収集の手法です。RFP(Request for Proposal:提案依頼書)とは異なり、具体的な発注前の参考情報として活用されます。
システム再構築:
既存の業務システムを全面的に見直し、新しい技術やアーキテクチャを導入することを指します。システムの老朽化や業務要件の変化に対応するために行われることが多いです。
対策
- RFI(情報提供依頼)とRFP(提案依頼書)の違いを理解し、それぞれの目的に応じた情報のやり取りができるように整理しておくことが重要です。
- 業務システムの導入プロセス(企画、要件定義、設計、開発、運用)を理解し、各フェーズで求められる情報を明確にしておくことが有効です。