問題
問7
業務と情報システムを最適にすることを目的に、例えばビジネス、データ、アプリケーション及び技術の四つの階層において、まず現状を把握し、目標とする理想像を設定する。次に現状と理想との乖離を明確にし、目標とする理想像に向けた改善活動を移行計画として定義する。このような最適化の手法として、最も適切なのはどれか。
- BI(Business Intelligence)
- EA(Enterprise Architecture)
- MOT(Management of Technology)
- SOA(Service Oriented Architecture)
[出典:ITパスポート試験 令和4年度 問7]
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正解
正解は「イ」です。
解説
エンタープライズアーキテクチャ(EA:Enterprise Architecture)は、企業や組織全体のIT戦略を計画し、システムや業務プロセスを最適化する手法です。EAでは、ビジネス(業務)、データ、アプリケーション、技術の4つの階層で構成され、それぞれの観点から現状を分析し、目標となる理想の状態を設定した上で、その差分を埋めるための計画を立てます。これにより、業務の効率化やシステムの統合が円滑に進められます。
今回の問題文では、ビジネス、データ、アプリケーション、技術の4つの階層を用いた現状分析と最適化を行う方法について問われています。これはEAの考え方と一致しており、最適な選択肢は「イ:EA(Enterprise Architecture)」となります。
ア(BI):
BI(Business Intelligence)は、企業がデータを分析し、意思決定を支援するための技術や手法のことです。業務プロセスの最適化というよりは、データ分析に特化しているため、本問の趣旨とは異なります。
ウ(MOT):
MOT(Management of Technology)は、技術経営のことで、新技術を活用して競争優位性を確立するための管理手法です。システム全体の最適化とは直接関係がありません。
エ(SOA):
SOA(Service Oriented Architecture)は、システム開発におけるアーキテクチャの概念で、サービス単位で機能を提供する考え方です。EAのように組織全体の最適化を図るものではなく、本問の解答としては適切ではありません。
難易度
普通
EAの概念を理解していないと選択が難しいですが、ITパスポート試験の学習範囲として基本的な内容です。BIやSOAなど、他の選択肢の意味を知っていれば消去法で解答できます。
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用語補足
エンタープライズアーキテクチャ(EA):
組織の業務と情報システムを最適化するための設計手法です。ビジネス、データ、アプリケーション、技術の4つの階層を設定し、現状分析と目標設定を行い、システムの最適化を図ります。
SOA(サービス指向アーキテクチャ):
システムを個別の「サービス」として構築し、それらを組み合わせてシステム全体を形成する考え方です。これにより、システムの柔軟性や再利用性を高めることができます。
対策
- EAの基本概念と、4つの階層(ビジネス・データ・アプリケーション・技術)の関係を理解する。 BIやSOAなど、類似する用語との違いを整理し、それぞれの目的と適用範囲を明確にしておく。
- 業務改善や情報システム最適化の問題が出た際には、EAが適用されるケースを意識して解答する。