問題
問34
SCMの導入による業務改善の事例として、最も適切なものはどれか。
- インターネットで商品を購入できるようにしたので、販売チャネルの拡大による売上増が見込めるようになった。
- 営業担当者がもっている営業情報や営業ノウハウをデータベースで管理するようにしたので、それらを営業部門全体で共有できるようになった。
- ネットワークを利用して売上情報を製造元に伝達するようにしたので、製造元が製品をタイムリーに生産し、供給できるようになった。
- 販売店の売上データを本部のサーバに集めるようにしたので、年齢別や性別の販売トレンドの分析ができるようになった。
[出典:ITパスポート試験 令和3年度 問34]
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正解
正解は「ウ」です。
解説
SCM(サプライチェーン・マネジメント)は、製造・流通・販売の各プロセスを最適化することで、在庫管理を効率化し、供給の無駄を削減する仕組みです。選択肢「ウ」の「ネットワークを利用して売上情報を製造元に伝達するようにしたので、製造元が製品をタイムリーに生産し、供給できるようになった。」が正解です。
SCMの導入により、販売店の売上データをリアルタイムで製造元に伝達できるため、製造側は需要の変化に応じた柔軟な生産計画を立てることが可能になります。例えば、ある商品が急に売れ行きを伸ばした場合、販売データを即時に共有することで、製造側が必要な数量を迅速に生産し、供給不足を回避できます。これにより、企業は市場の動向に即応し、売れ残りのリスクを減らすことができます。
ア(インターネットで商品を購入できるようにしたので、販売チャネルの拡大による売上増が見込めるようになった。):
インターネット販売はEC(電子商取引)の活用例であり、SCMの導入による業務改善とは異なります。
イ(営業担当者がもっている営業情報や営業ノウハウをデータベースで管理するようにしたので、それらを営業部門全体で共有できるようになった。):
営業情報の管理はCRM(顧客関係管理)の一環であり、SCMの導入による業務改善ではありません。
エ(販売店の売上データを本部のサーバに集めるようにしたので、年齢別や性別の販売トレンドの分析ができるようになった。):
売上データの収集と分析はBI(ビジネスインテリジェンス)の活用例であり、SCMの導入による業務改善ではありません。
難易度
普通
SCMの基本概念を理解していれば解答しやすい問題ですが、他の選択肢も関連するIT技術を含んでいるため、正しく判断する必要があります。
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用語補足
SCM(サプライチェーン・マネジメント):
製造・流通・販売などのプロセスを効率化し、在庫管理を最適化して供給不足や過剰供給を防ぐ仕組みです。
BI(ビジネスインテリジェンス):
企業のデータを分析し、経営判断をサポートする仕組みです。販売トレンドの分析などに活用されます。
対策
SCMの基本的な概念を理解し、どのような業務改善が可能か具体的な事例を学ぶことが重要です。EC、CRM、BIなどの関連するIT技術との違いを把握しておくことで、試験で適切な選択がしやすくなります。