問題
問100
システムの経済性の評価において、TCOの概念が重要視されるようになった理由として、最も適切なものはどれか。
- システムの総コストにおいて、運用費に比べて初期費用の割合が増大した。
- システムの総コストにおいて、初期費用に比べて運用費の割合が増大した。
- システムの総コストにおいて、初期費用に占めるソフトウェア費用の割合が増大した。
- システムの総コストにおいて、初期費用に占めるハードウェア費用の割合が増大した。
[出典:ITパスポート試験 令和3年度 問100]
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正解
正解は「イ」です。
解説
TCO(Total Cost of Ownership、総所有コスト)は、システムの経済性を評価する際に重要な指標であり、初期費用だけでなく、運用や保守費用を含めた総コストを考慮する概念です。
近年のITシステムでは、ハードウェアやソフトウェアの初期費用に比べ、運用費の割合が増大しています。例えば、クラウドサービスやサブスクリプション型ソフトウェアの導入が進むことで、初期費用が抑えられる代わりに、長期間の運用費が積み重なって総コストが増加するケースが多く見られます。これにより、システム導入時の予算計画では、単なる初期費用の比較だけでなく、TCOを含めた長期的な視点での評価が必要となりました。
ア(システムの総コストにおいて、運用費に比べて初期費用の割合が増大した):
実際には、初期費用の割合が低下し、運用費の割合が増大しているため、この選択肢は誤りです。
ウ(システムの総コストにおいて、初期費用に占めるソフトウェア費用の割合が増大した):
ソフトウェア費用は重要ですが、運用費の増大がTCOの重要性を高めた要因であり、直接的な理由ではないため誤りです。
エ(システムの総コストにおいて、初期費用に占めるハードウェア費用の割合が増大した):
ハードウェア費用は一般的に低下傾向にあり、TCOの重要性の理由とは異なります。
難易度
普通
TCOの基本概念を理解していれば解答しやすいですが、初期費用と運用費の割合の変化を正しく認識していないと誤答する可能性があります。
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用語補足
TCO(総所有コスト):
システムの初期費用だけでなく、運用・保守費用などを含めた総コストの概念。長期的な経済性評価に用いられる。
運用費:
システムを継続的に使用するための費用。クラウドサービスやサブスクリプション型ソフトウェアの普及により増加傾向にある。
対策
TCOの概念を理解し、システム導入時の評価ポイントとして、単なる初期費用の比較だけでなく、運用費も考慮することが重要です。特に、クラウドサービスやサブスクリプション型ソフトウェアのコスト構造を把握し、総所有コストを適切に見積もる力を養うことがポイントとなります。