問題
問88
無線LANに関する記述のうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- a 使用する暗号化技術によって、伝送速度が決まる。
- b 他の無線LANとの干渉が起こると、伝送速度が低下したり通信が不安定になったりする。
- c 無線LANでTCP/IPの通信を行う場合、IPアドレスの代わりにESSIDが使われる。
- a, b
- b
- b, c
- c
[出典:ITパスポート試験 令和2年度 問88]
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正解
正解は「イ」です。
解説
選択肢「b」は正しい記述です。無線LANでは電波を利用して通信を行うため、他の無線LAN機器や電子レンジ、Bluetooth機器などと電波の干渉が発生すると、通信が不安定になったり、伝送速度が低下することがあります。たとえば、家の中でWi-Fiを使っているときに電子レンジを使うと、ネットが遅くなることがあるのはこの干渉が原因です。
一方で、選択肢「a」は誤りです。確かに暗号化方式によっては処理の負荷が異なるため、間接的に通信速度に影響する場合はありますが、伝送速度そのものが暗号化技術によって直接決定されるわけではありません。伝送速度は主に無線LANの規格(例:IEEE802.11n、802.11acなど)に依存します。
また、選択肢「c」も誤りです。ESSID(Extended Service Set Identifier)は、無線LANのネットワーク名を示すもので、IPアドレスの代わりになるものではありません。TCP/IP通信では、IPアドレスを使って通信相手を識別します。ESSIDはあくまで接続先の無線LANを識別するための情報であり、通信の宛先を決定するものではありません。 以上から、適切な記述は「b」のみであり、正解は「イ」となります。
ア(a, b):
選択肢aが誤りです。暗号化技術は通信速度に多少の影響を与えることはあっても、伝送速度を直接決定する要素ではありません。
ウ(b, c):
選択肢cが誤りです。TCP/IP通信ではIPアドレスが必須であり、ESSIDはIPアドレスの代わりにはなりません。
エ(c):
選択肢cが誤りです。ESSIDはネットワーク名を
難易度
この問題は無線LANに関する基本的な知識を問うもので、日常的にWi-Fiを使用している人にとっては理解しやすい内容です。しかし、用語の正しい役割や影響を正確に把握していないと誤った選択肢を選んでしまう可能性があります。初学者にはやや混乱を招く表現もありますが、全体的には基本レベルの問題です。
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用語補足
ESSID:
無線LANのアクセスポイントごとに設定されるネットワーク識別子で、いわゆるWi-Fiの「ネットワーク名」のことです。複数のアクセスポイントがある中から接続先を選ぶために使われます。
TCP/IP:
インターネットなどのネットワーク通信において基本となる通信プロトコルです。IPアドレスを使って通信相手を特定し、信頼性の高いデータの送受信を実現します。
干渉:
複数の無線機器が近くで同じ周波数帯を使って通信することで、信号がぶつかり合って通信が不安定になる現象のことです。電子レンジや他のWi-Fiが主な原因となります。
対策
無線LANの仕組みや影響する要素(通信規格、暗号化、干渉など)を正しく理解することが重要です。特に日常で使うWi-Fiがどのように動作しているかを意識して使うと理解が深まります。また、IPアドレスとESSIDの違いも混同しやすいため、用語の役割を明確に区別できるように覚えましょう。