問題
問28
新しい概念やアイディアの実証を目的とした、開発の前段階における検証を表す用語はどれか。
- CRM
- KPI
- PoC
- SLA
[出典:ITパスポート試験 令和2年度 問28]
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正解
正解は「ウ」です。
解説
正解の「PoC(Proof of Concept)」は、「概念実証」と訳され、新しいアイディアや技術が実現可能かどうかを実際に試して確認する初期段階の活動です。例えば、ある会社が「自動翻訳機能付きのスマートグラス」を開発しようとしたとき、本格的な製品化の前に「翻訳機能が小型機器で動作するか」や「ユーザーが使いやすいと感じるか」を簡易的なプロトタイプで試すような工程がPoCです。
PoCの目的は「実現可能性の検証」であり、費用や労力をかけて開発する前に、そのアイディアに価値や可能性があるかを確認することにあります。 PoCは、特に新技術の導入やベンチャー企業でのサービス検証の際によく使われる概念で、短期間・低コストで課題を明らかにし、次のステップである実装や本格開発に進むべきかの判断材料となります。そのため、問題文にある「新しい概念やアイディアの実証を目的とした、開発の前段階における検証」という記述に最も適しているのは「ウ:PoC」です。
ア(CRM):
CRM(Customer Relationship Management)は顧客関係管理を意味し、既存顧客との関係を強化して満足度や売上を高めるための手法です。PoCのような技術検証の場面とは関係がありません。
イ(KPI):
KPI(Key Performance Indicator)は、業績評価の指標であり、目標達成に向けた進捗を測る数値的な指標です。新しいアイディアの実証という観点ではなく、業務の成果測定のために使われます。
エ(SLA):
SLA(Service Level Agreement)はサービス提供者と利用者の間で合意されたサービスの品質や提供条件を明文化したものです。PoCのような開発段階の検証とは無関係です。
難易度
本問題はIT初学者にとってはやや馴染みの薄い「PoC」という用語が登場するため、難易度は「やや易しめ~普通」といえます。PoCは新規開発や技術導入の初期段階で使われる専門用語ですが、他の選択肢(CRM、KPI、SLA)と比較することで消去法的に導きやすい問題でもあります。
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用語補足
PoC(Proof of Concept):
概念実証と呼ばれ、新しいアイディアや技術の実現可能性を確認するための初期検証段階です。たとえば、自動運転車のプロトタイプで実際に安全に走行できるかを試すのがPoCです。
CRM(Customer Relationship Management):
顧客情報を一元管理して、営業・サポート・マーケティング活動に活用することで顧客満足度を向上させるための仕組みです。例えば、過去の購入履歴を元にキャンペーンを送るのもCRMの一部です。
KPI(Key Performance Indicator):
目標に対して進捗を測定するための指標です。たとえば、営業部門で「月の新規顧客獲得数」をKPIとして設定することで成果を評価できます。
SLA(Service Level Agreement):
サービス提供者と利用者の間で取り決めた、サービスの品質や応答時間などの合意事項です。たとえば「サーバの稼働率は99.9%以上にする」といった記述が含まれます。
対策
PoCはITプロジェクトやスタートアップ分野では頻出用語ですので、基本的な意味と目的をしっかり覚えることが大切です。また、似た略語(KPIやSLAなど)と混同しないように、それぞれの用途や使われる場面を具体例で押さえる学習が有効です。過去問で繰り返し確認すると効果的です。