問題
問93
デジタル署名やブロックチェーンなどで利用されているハッシュ関数の特徴に関する、次の記述中のa,bに入れる字句の適切な組合せはどれか。
ハッシュ関数によって、同じデータは、「a」 ハッシュ値に変換され、変換後のハッシュ値から元のデータを復元することが「b」。

[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問93]
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正解
正解は「ウ」です。
解説
ハッシュ関数とは、任意の長さの入力データから、固定長の出力(ハッシュ値)を生成する関数のことです。セキュリティの分野では、デジタル署名やブロックチェーンの整合性確認、パスワードの保管などで広く使われています。
ハッシュ関数の基本的な性質の1つに「同じ入力に対しては常に同じハッシュ値が出力される」ことがあります。これにより、入力が改ざんされていないかの検証が可能になります。
また、もう1つの重要な性質として「一方向性」があります。すなわち、ハッシュ値から元のデータを復元することが非常に困難(計算上不可能)である点です。この性質により、パスワードなどを直接保管せずにハッシュ値だけを保管することで、情報漏えいのリスクを低減できます。
したがって、設問におけるaには「常に同じ」、bには「できない」が入るのが正しく、選択肢ウが正解です。
- ア(都度異なる/できない):
ハッシュ関数は、同じ入力には常に同じ出力を返すため、「都度異なる」は誤りです。 - イ(都度異なる/できる):
ハッシュ値は同じ入力に対して常に同じ結果を出すうえ、ハッシュ値から元のデータを復元することはできません。両方が誤りです。 - エ(常に同じ/できる):
ハッシュ関数は元のデータを復元することができないため、「できる」は誤りです。
難易度
この問題はハッシュ関数の基本的な性質を問うもので、ITパスポート試験において頻出の知識です。特に「一方向性」や「整合性確認」の特徴を押さえていれば容易に正解できます。基礎をしっかり学べば初心者でも解答できるレベルです。
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用語補足
ハッシュ関数:
入力データから固定長の文字列(ハッシュ値)を生成する関数です。同じ入力には必ず同じ出力を返し、逆方向の復元は困難です。
一方向性:
ハッシュ関数で得られた値から元の入力データを計算的に復元できない性質のことです。パスワード保存やデジタル署名などで重要な概念です。
ブロックチェーン:
分散型台帳技術で、各ブロックにハッシュ値を用いて過去のデータと繋げることで改ざん防止を実現しています。
対策
ハッシュ関数の基本的な性質(同一性、一方向性、衝突回避性など)を押さえ、それぞれがどのような場面で使われるかを具体的に理解することが重要です。特にパスワード管理やブロックチェーンとの関係を図解などで学習すると効果的です。