ITパスポート試験　令和元年度 [問88]　過去問解説

問題

問88

バイオメトリクス認証の例として、適切なものはどれか。

• 本人の手の指の静脈の形で認証する。
• 本人の電子証明書で認証する。
• 読みにくい文字列が写った画像から文字を正確に読み取れるかどうかで認証する。
• ワンタイムパスワードを用いて認証する。

[出典：ITパスポート試験 令和元年度 問88]

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正解

正解は「ア」です。

解説

　バイオメトリクス認証（生体認証）とは、人間の身体的特徴や行動的特徴を利用して本人確認を行う技術です。代表的なものには、指紋認証・虹彩認証・顔認証・静脈認証・声紋認証などがあります。

　本問の「本人の手の指の静脈の形で認証する」は、まさに「静脈認証」に該当します。静脈のパターンは個人ごとに異なり、表皮の内側にあるため偽造が難しく、高いセキュリティ性を持つ認証方式とされています。

　このように身体的な特徴をもとに本人確認を行う方法が「バイオメトリクス認証」であるため、正解は「ア」となります。

• イ(本人の電子証明書で認証する):
  　これはPKI（公開鍵基盤）を用いた電子的な証明書による認証であり、生体情報を使っていないため、バイオメトリクス認証には該当しません。
• ウ(画像から文字を正確に読み取れるかどうかで認証する):
  　これはOCR（光学文字認識）の処理であり、認証とは関係がありません。バイオメトリクスとも無関係です。
• エ(ワンタイムパスワードを用いて認証する):
  　これはソフトウェア的なトークンを使った多要素認証の一種であり、生体的特徴に基づくものではないため、バイオメトリクス認証には該当しません。

難易度

　本問は、生体認証（バイオメトリクス認証）の定義と例を知っていれば簡単に解ける問題です。他の選択肢が生体情報を用いていないことからも、明確に判断できます。初心者にも取り組みやすく、難易度は「易しい」と言えます。

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用語補足

バイオメトリクス認証：
　生体認証とも呼ばれ、身体的または行動的特徴（例：指紋、静脈、顔、声、虹彩など）を用いて本人確認を行う手法です。

電子証明書：
　PKI技術を使って発行される、個人や組織の身元を証明する電子的な証明情報。バイオメトリクスではなく、公開鍵と秘密鍵に基づいています。

ワンタイムパスワード（OTP）：
　一度限り有効なパスワードで、時間制限や使用回数制限付きの認証手段です。ソフトウェアやハードウェアトークンで生成されます。

対策

　バイオメトリクス認証の定義と、どのような方法が該当するか（指紋・静脈・顔など）を押さえることが重要です。選択肢の中で「体の特徴」を用いたものを見極める練習をしておきましょう。