問題
問81
IoTシステム向けに使われる無線ネットワークであり、一般的な電池で数年以上の運用が可能な省電力性と、最大で数十kmの通信が可能な広域性を有するものはどれか。
- LPWA
- MDM
- SDN
- WPA2
[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問81]
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正解
正解は「ア」です。
解説
本問は、IoT用途に適した無線通信技術についての理解を問うものです。正解は「ア:LPWA(Low Power Wide Area)」です。
LPWAは、省電力かつ広範囲な通信が可能な無線通信技術であり、特にセンサーデバイスやIoT機器のように電源供給が限られた環境に適しています。例えば、農業分野で畑の温度や湿度を遠隔地から取得するような場面では、電池で数年動作し、数km〜数十kmの距離を無線で飛ばす必要があります。このようなニーズに最適なのがLPWAです。
LPWAの代表的な規格には、LoRaWANやSigfoxなどがあり、それぞれ特性がありますが、共通するのは「省電力」「低速通信」「長距離通信」です。動画のような大容量データのやり取りには向きませんが、IoTで求められる定期的な小さなデータの送信には最適です。
このように、問題文にある「省電力」「数年運用」「広域通信」といった特徴から、LPWAが最も適切であると判断できます。
- イ(MDM):
MDMは「Mobile Device Management(モバイルデバイス管理)」の略であり、企業が社員のスマートフォンやタブレットなどを一括で管理・制御するための仕組みです。通信技術ではありません。 - ウ(SDN):
SDNは「Software Defined Network(ソフトウェア定義ネットワーク)」の略で、ネットワーク機器の制御をソフトウェア的に行う技術です。IoT向けの無線通信技術とは無関係です。 - エ(WPA2):
WPA2は無線LAN(Wi-Fi)におけるセキュリティ規格の一つで、暗号化と認証機能を提供します。省電力通信や広域通信を目的とした技術ではありません。
難易度
この問題は、各通信技術の特徴を正確に把握しているかを問うものであり、用語の知識があれば難易度は高くありません。ただし、LPWA以外の選択肢がすべて通信とは異なる技術分野であるため、選択肢を知っていれば消去法でも対応できます。難易度は「やや易しい」と言えます。
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用語補足
LPWA:
「Low Power Wide Area」の略で、省電力かつ長距離通信が可能な無線通信方式。IoTセンサーなどで利用され、LoRaWANやSigfoxが代表的です。
MDM:
「Mobile Device Management」の略で、企業内のスマートフォンやタブレットを管理する仕組み。アプリの制御や紛失時の遠隔操作などが可能です。
WPA2:
「Wi-Fi Protected Access 2」の略。無線LAN通信の暗号化や認証を行うためのセキュリティプロトコルで、セキュ
対策
IoTに関する問題では、用途に応じた無線技術の特性を理解しておくことが重要です。LP