問題
問77
無線LANに関する記述のうち,適切なものはどれか。
- アクセスポイントの不正利用対策が必要である。
- 暗号化の規格はWPA2に限定されている。
- 端末とアクセスポイント間の距離に関係なく通信できる。
- 無線LANの規格は複数あるが,全て相互に通信できる。
[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問77]
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正解
正解は「ア」です。
解説
無線LAN(Wi-Fi)は、電波を利用して通信するため、有線LANと比較して盗聴や不正利用のリスクが高いという特性があります。そのため、無線LANを安全に運用するには、アクセスポイント(AP)への不正アクセスや不正利用を防ぐための対策が不可欠です。
例えば、SSIDを隠したり、MACアドレスフィルタリングを設定したり、アクセス制限を設けるなどの方法が挙げられます。特に家庭や企業で使用される無線LANルータにおいて、パスワードの初期設定のままで運用されていると、第三者が勝手に接続してしまう可能性があります。
そのため、パスワードの強化やセキュリティ機能の有効化が求められます。したがって、選択肢アの「アクセスポイントの不正利用対策が必要である」は適切な記述です。
イ(暗号化の規格はWPA2に限定…):
暗号化規格にはWEP、WPA、WPA2、WPA3など複数存在し、WPA2に限定されているわけではありません。
ウ(距離に関係なく通信できる):
無線LANは電波を利用するため、端末とアクセスポイントの距離が通信品質に大きく影響します。距離が遠ければ通信は不安定または不可能になります。
エ(全て相互に通信できる):
無線LANにはIEEE 802.11a/b/g/n/ac/axなど複数の規格があり、全てが完全に互換性を持つわけではありません。規格の対応状況によって通信できない場合もあります。
難易度
この問題は、無線LANに関する基本的なセキュリティ知識を問うものであり、比較的平易な問題です。正しい選択肢が常識的な内容であるため、ネットワークに関する基本知識があれば容易に解ける初級レベルの問題といえます。
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用語補足
無線LAN(Wi-Fi):
電波を使ってデバイス同士を接続するLANの形式です。ケーブル不要で利便性が高い一方、セキュリティ面の配慮が不可欠です。
アクセスポイント:
無線LANの通信拠点となる装置で、スマートフォンやPCなどの端末をインターネットに接続する中継の役割を果たします。
暗号化規格(WPA/WPA2):
無線通信の安全性を確保するための技術で、パスワードや通信内容を保護します。WPA2は現在主流であり、WPA3への移行も進んでいます。
対策
無線LANのリスクや特徴、主要なセキュリティ対策(SSID、暗号化方式、MACフィルタリングなど)について基礎から学んでおくとよいです。WPAやWPA2などの暗号化規格の違いや、アクセスポイントの運用管理方法についても整理しておくことが重要です。