問題
問73
IoT機器やPCに保管されているデータを暗号化するためのセキュリティチップであり、暗号化に利用する鍵などの情報をチップの内部に記憶しており、外部から内部の情報の取出しが困難な構造をもつものはどれか。
- GPU
- NFC
- TLS
- TPM
[出典：ITパスポート試験 令和元年度 問73]
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正解
正解は「エ」です。
解説
正解は「TPM（Trusted Platform Module）」です。TPMとは、暗号鍵や認証情報、証明書などの機密情報を安全に保管・処理するためのセキュリティチップです。PCやIoT機器のマザーボードに物理的に搭載されることが多く、OSやアプリケーションからも利用され、主に暗号化処理や改ざん検知、セキュアブートなどに使われます。
このTPMは、外部からの不正アクセスや読み出しを困難にするハードウェア的な保護機能を持っており、内部情報（暗号鍵など）が外部に漏洩するリスクを大きく下げます。
例として、Windowsの「BitLocker」などでは、TPMを用いてドライブの暗号鍵を安全に格納・使用することで、起動時に不正な改変が行われていないかをチェックする仕組みが組み込まれています。
ア(GPU):
GPUは画像処理装置であり、セキュリティチップとしての機能は持ちません。
イ(NFC):
NFCは近距離無線通信技術で、データ暗号化や鍵保管を行う機能は備えていません。
ウ(TLS):
TLSは通信を暗号化するためのプロトコルであり、ハードウェアではなくソフトウェアベースの技術です。
難易度
この問題はTPMという特定用語の知識が求められるため、IT初心者にとってはやや難しい部類に入ります。ただし、選択肢の他の用語がよく知られているものであれば、消去法でも正解にたどり着けるため、難易度は「中程度」と言えます。
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用語補足
TPM：
Trusted Platform Module の略で、暗号鍵などの重要情報を安全に保管するハードウェアチップです。改ざん検知や起動時の認証などに使われます。
GPU：
Graphics Processing Unit の略で、画像処理を担当するプロセッサです。AI計算や3D処理に使われることもあります。
NFC：
Near Field Communication の略で、スマートフォンのタッチ決済などに使われる短距離通信技術です。
TLS：
Transport Layer Security の略で、インターネット通信の暗号化に使われるプロトコルです。HTTPSなどで利用されます。
対策
セキュリティ分野では、ハードウェアによるセキュリティ強化技術としてTPMのようなチップの知識が問われることがあります。TPMは近年のOSでも重要な役割を果たしているため、機能や特徴を整理して理解しておきましょう。類似用語との違いを明確にするのも有効です。
