スポンサーリンク

ITパスポート試験 令和元年度 [問71] 過去問解説

問題

問71

複数のIoTデバイスとそれらを管理するIoTサーバで構成されるIoTシステムにおける、エッジコンピューティングに関する記述として、適切なものはどれか。

  • IoTサーバ上のデータベースの複製を別のサーバにも置き、両者を常に同期させて運用する。
  • IoTデバイス群の近くにコンピュータを配置して、IoTサーバの負荷低減とIoTシステムのリアルタイム性向上に有効な処理を行わせる。
  • IoTデバイスとIoTサーバ間の通信負荷の状況に応じて、ネットワークの構成を自動的に最適化する。
  • IoTデバイスを少ない電力で稼働させて、一般的な電池で長期間の連続運用を行う。

[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問71]

スポンサーリンク

正解

正解は「」です。

解説

 エッジコンピューティングとは、IoTデバイスなどの「エッジ(端末の近く)」にある機器に処理を分散することで、クラウドやサーバーに負荷をかけずにリアルタイム性の高い応答を可能にするコンピューティングの考え方です。

 選択肢「イ」では、IoTデバイス群の近くにコンピュータを設置し、IoTサーバの負荷を軽減するという記述があり、これはエッジコンピューティングの典型的な活用法です。リアルタイム処理を必要とするシステムでは特に有効です。

 一方で、選択肢「ア」は単なるデータベースの同期、選択肢「ウ」はネットワークの構成最適化であり、エッジとは直接関係がありません。選択肢「エ」は省電力動作に関する記述ですが、これはエッジコンピューティングの定義や特徴とは異なります。

ア(IoTサーバ上のデータベース…):
 エッジコンピューティングの目的はサーバ負荷の軽減とリアルタイム性向上であり、単なる同期運用とは無関係です。
ウ(IoTデバイスとサーバ間の通信負荷…):
 ネットワーク最適化はSDNなどの技術に関係し、エッジコンピューティングの本質ではありません。
エ(IoTデバイスを少ない電力で稼働…):
 省電力化はIoT設計の一要素であり、処理を分散するエッジコンピューティングとは直接の関連がありません。

難易度

 この問題はエッジコンピューティングの基本的な定義や用途を理解していれば容易に正解できるため、難易度は低めです。ただし、他の選択肢もIT関連の記述となっており、曖昧な知識だと混乱する可能性があるため、基礎知識の整理が重要です。

スポンサーリンク

用語補足

エッジコンピューティング:
 データ処理をクラウドやサーバでなく、IoTデバイスの近くの端末(エッジ)で行うことで、応答性の向上や通信負荷の軽減を実現する技術です。

IoT:
 「Internet of Things」の略で、モノがインターネットに接続され、情報の送受信や制御が可能になる技術です。センサーや家電、工場設備などに活用されます。

リアルタイム性:
 処理や応答が即座に行われる性能のこと。エッジコンピューティングは、このリアルタイム性を向上させる手段としても活用されます。

対策

 エッジコンピューティングの定義とクラウドコンピューティングとの違いを理解しておくことが重要です。また、IoT関連技術との関係性を具体例で把握しておくことで、似た選択肢にも迷わず対応できるようになります。図解や事例を通じて学習するのが効果的です。


タイトルとURLをコピーしました