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ITパスポート試験 令和元年度 [問59] 過去問解説

問題

問59

複数の取引記録をまとめたデータを順次作成するときに、そのデータに直前のデータのハッシュ値を埋め込むことによって、データを相互に関連付け、取引記録を矛盾なく改ざんすることを困難にすることで、データの信頼性を高める技術はどれか。

  • LPWA
  • SDN
  • エッジコンピューティング
  • ブロックチェーン

[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問59]

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正解

正解は「」です。

解説

 この問題は、取引データの改ざん防止と信頼性確保のための技術について問うものです。記述にある「前のデータのハッシュ値を次のデータに埋め込む」という特徴は、ブロックチェーンの基本的な構造そのものであり、正解は「エ:ブロックチェーン」です。

 ブロックチェーンは、一連の取引情報(ブロック)を鎖(チェーン)のように順次つなげて記録し、それぞれのブロックに前のブロックのハッシュ値を含めることで、記録の改ざんを非常に困難にします。この仕組みにより、不正なデータの挿入や削除が検知されやすくなり、高い信頼性を実現しています。

 日常の例でいえば、各ページに前のページの合言葉が書かれた日記のようなもので、1ページでも偽造すればすぐにバレるという構造です。仮想通貨の基盤技術として有名ですが、他にも不正防止や証明の場面で幅広く活用されています。

ア(LPWA):
 低消費電力で広域通信が可能な無線通信技術であり、IoT機器向けですが、データの信頼性確保や改ざん防止には直接関係ありません。
イ(SDN):
 ソフトウェアでネットワークを柔軟に制御する技術であり、ネットワーク構成の最適化には使われますが、取引記録の信頼性確保には使われません。
ウ(エッジコンピューティング):
 クラウドの代わりに末端デバイス近くで処理する技術で、遅延の低減や帯域節約が目的です。改ざん防止とは関係がありません。

難易度

 本問はブロックチェーンの特徴的な構造を理解していれば容易に解けますが、技術的な背景に踏み込んだ表現を含むため、用語の暗記だけでは難しいと感じる受験者もいるかもしれません。基本的なITリテラシーと現代のセキュリティ技術に関する知識が求められる中級レベルの問題です。

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用語補足

ブロックチェーン:
 取引データを時系列に記録する分散型台帳技術。各データに前のデータのハッシュを含めることで、改ざん耐性を実現しています。ビットコインなどに活用されています。

ハッシュ値:
 データの要約情報で、元のデータから計算される一意の値。改ざんがあるとハッシュ値も変化するため、検出に使われます。

データの信頼性:
 そのデータが正しいものであるという保証の度合い。改ざん防止や整合性チェックの仕組みにより高められます。

対策

 ブロックチェーンに関する問題は、近年のITパスポート試験で頻出です。基本的な仕組み(分散管理、ハッシュ、改ざん耐性など)と、他の技術(SDN、LPWAなど)との違いを整理しておくことで、用語を見ただけで用途や特徴を想起できるようにしておくと有効です。


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