問題
問53
企業における IT ガバナンスを構築し、推進する責任者として、適切な者は誰か。
- 株主
- 経営者
- 従業員
- 情報システム部員
[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問53]
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正解
正解は「イ」です。
解説
ITガバナンスとは、企業の経営目標を実現するために、ITの活用を戦略的に管理・統制する仕組みのことです。これにおいては、ITの活用によって得られる価値を最大化し、リスクを最小限に抑える必要があります。
そのため、ITガバナンスは企業経営に直結した重要な活動であり、その責任は「経営者」にあります。 経営者は、企業全体の方針やリソースの分配を決定する立場であり、ITの戦略的活用が企業価値の向上に寄与するかどうかを最終的に判断・指示する役割を担います。
また、ITガバナンスの導入や運用にあたり、組織文化の醸成やリーダーシップも求められるため、現場担当者ではなく経営層が主導することが重要です。 したがって、ITガバナンスを構築・推進する責任者として最も適切なのは「イ:経営者」です。
ア(株主):
株主は出資者であり、企業の経営に対して意思決定を行う立場にはありません。ITガバナンスの責任者には該当しません。
ウ(従業員):
従業員はITガバナンスの方針のもとで業務を遂行する立場にあり、戦略的な推進責任を持つ役割ではありません。
エ(情報システム部員):
実務的なIT管理を行いますが、経営目標に基づいたITの方向性やガバナンスの枠組みを策定する立場にはありません。
難易度
この問題はITガバナンスの基本的な定義と、その責任の所在に関する知識を問うものであり、ITパスポート試験の中でも基礎的なレベルに位置づけられます。用語の理解があれば、初心者でも比較的容易に正解できる問題です。
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用語補足
ITガバナンス:
企業の目標達成のために、IT資源の活用を戦略的に統制・管理する枠組みです。リスク管理や価値創出を重視します。
経営者:
会社の運営を最終的に決定する立場の人で、経営戦略やガバナンスの策定・推進責任を担います。
情報システム部門:
IT関連の実務を担当する部署であり、システムの運用・保守・導入などを行いますが、戦略的決定権はありません。
対策
ITガバナンスや情報セキュリティガバナンスの基本概念と、誰がそれを担うのかを明確に覚えておきましょう。「責任者=経営者」であることを他の用語と混同しないようにすることがポイントです。関連するフレームワーク(COBIT等)の理解も役立ちます。