問題
問51
プロジェクトマネジメントにおいて、プロジェクトスコープを定義したプロジェクトスコープ記述書に関する説明として、適切なものはどれか。
- 成果物と作業の一覧及びプロジェクトからの除外事項を記述している。
- 成果物を作るための各作業の開始予定日と終了予定日を記述している。
- プロジェクトが完了するまでのコスト見積りを記述している。
- プロジェクトにおける役割、責任、必要なスキルを特定して記述している。
[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問51]
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正解
正解は「ア」です。
解説
プロジェクトスコープ記述書とは、プロジェクトマネジメントにおいて、プロジェクトの境界や成果物、作業内容を明確にする文書です。これにより、関係者の認識のズレや要求の拡大(スコープクリープ)を防止することが目的です。
具体的には、プロジェクトで作成される成果物(アウトプット)の一覧、必要な作業(WBSの元となる要素)、さらに「このプロジェクトでは実施しないこと(除外事項)」などが記載されます。これにより、関係者全員がプロジェクトの範囲を共通理解することが可能となります。
したがって、選択肢の中で最も適切な説明は「成果物と作業の一覧及びプロジェクトからの除外事項を記述している」となる「ア」が正解です。
イ(作業の開始予定日と終了予定日):
これはスケジュールマネジメントで使われる「スケジュール計画書」に該当します。
ウ(コスト見積り):
これはコストマネジメントの一部であり、「コスト見積書」や「予算計画書」に記載されます。
エ(役割、責任、スキル):
これは「人的資源マネジメント計画書(リソースマネジメント計画)」に関する内容です。
難易度
この問題はプロジェクトスコープ記述書の役割と内容を理解しているかどうかを問う典型的な用語問題です。選択肢の中には他分野(コストやスケジュール)に関連するものも含まれており、各計画書の役割を区別する基礎力が問われます。基本的な知識があれば難易度は低めです。
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用語補足
プロジェクトスコープ記述書:
プロジェクトで作成する成果物や実施する作業、また除外事項など、スコープ(範囲)に関する詳細をまとめた文書です。
スコープクリープ:
プロジェクト実施中に、当初合意した範囲を超えて追加の作業が増えてしまう現象。納期遅延やコスト超過の原因になります。
WBS(作業分解構成):
プロジェクトを構成する作業を階層構造で細かく分解した図や一覧で、スコープ記述書に基づいて作成されます。
対策
プロジェクトマネジメントで使われる各種文書の名称と目的を整理して覚えることが重要です。特に「スコープ」「スケジュール」「コスト」「リソース」など主要な管理分野に関する計画書の違いを理解し、それぞれの説明を見分けられる力を養いましょう。