問題
問49
アジャイル開発の特徴として、適切なものはどれか。
- 各工程間の情報はドキュメントによって引き継がれるので、開発全体の進捗が把握しやすい。
- 各工程でプロトタイピングを実施するので、潜在している問題や要求を見つけ出すことができる。
- 段階的に開発を進めるので、最後の工程で不具合が発生すると、遡って修正が発生し、手戻り作業が多くなる。
- ドキュメントの作成よりもソフトウェアの作成を優先し、変化する顧客の要望を素早く取り入れることができる。
[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問49]
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正解
正解は「エ」です。
解説
アジャイル開発は、変化する顧客のニーズに柔軟に対応するための開発手法であり、従来のウォーターフォール型開発と異なり、反復的・漸進的に開発を進める点が特徴です。アジャイル開発の原則として、詳細なドキュメントよりも「動くソフトウェア」の提供を重視し、計画よりも顧客との協調を優先します。
選択肢エの「ドキュメントの作成よりもソフトウェアの作成を優先し、変化する顧客の要望を素早く取り入れることができる」は、まさにアジャイル開発の理念そのものであり、アジャイルマニフェストの一節「包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを重視する」に対応しています。
したがって、正解は「エ」です。
ア(各工程間の情報はドキュメントによって…):
これはウォーターフォール型開発の特徴です。アジャイル開発では、文書よりも対話を重視します。
イ(各工程でプロトタイピングを実施するので…):
プロトタイピングはアジャイルでも使われる手法ですが、プロトタイピングそのものがアジャイル開発の定義ではありません。
ウ(段階的に開発を進めるので、最後の工程で…):
これはウォーターフォール型開発の課題を説明しており、アジャイル開発の特徴ではありません。
難易度
この問題はアジャイル開発に関する基本的な理解を問うもので、アジャイルマニフェストに触れていればすぐに判断できます。初心者でも教科書的な知識があれば解けるため、比較的易しい問題に分類されます。
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用語補足
アジャイル開発:
顧客の要求変化に柔軟に対応するため、小さなサイクルで反復的にソフトウェアを開発する手法です。
アジャイルマニフェスト:
アジャイル開発の価値観を定義した文書。「プロセスやツールより個人と対話」「ドキュメントより動くソフトウェア」などの原則があります。
ウォーターフォール型開発:
要件定義から設計、実装、テスト、運用と段階的に一方向で進める開発手法で、アジャイルと対比されます。
対策
アジャイル開発の原則や価値観は、ウォーターフォール型開発との比較で理解すると覚えやすくなります。特に「変化に強い」「ドキュメントより動くもの」「反復・協調」をキーワードに押さえておくと、本問のような問題には対応しやすくなります。