問題
問45
会計システムの開発を受託した会社が、顧客と打合せを行って、必要な決算書の種類や、会計データの確定から決算書類の出力までの処理時間の目標値を明確にした。この作業を実施するのに適切な工程はどれか。
- システムテスト
- システム要件定義
- ソフトウェア詳細設計
- ソフトウェア方式設計
[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問45]
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正解
正解は「イ」です。
解説
この問題では、システム開発の中で「顧客と打ち合わせを行い、業務上必要な処理内容や性能目標を明確にする作業」がどの工程に該当するかを問うています。このような作業は「システム要件定義」に属します。システム要件定義とは、利用者の業務要件をもとに、システムに求められる機能や性能(たとえば帳票の種類や処理時間など)を定義し、文書化する工程です。
一方、「ソフトウェア方式設計」や「詳細設計」は、その要件に基づいてシステムやプログラムの構造や仕様を設計する段階であり、処理時間や帳票内容の要望を聞き出すフェーズではありません。また、「システムテスト」は開発後にシステムが仕様通りに動作するかを検証する工程であり、設計や要件定義の前段階ではありません。
よって、顧客の業務要望を明確化し、それをシステムに反映させる最初の段階として、「システム要件定義」が最も適切です。
ア(システムテスト):
開発したシステムが要件通りに動作するかを検証する工程であり、要件を定義する段階ではありません。
ウ(ソフトウェア詳細設計):
プログラムの具体的な処理やデータ構造を定義する工程で、要件の聞き取りとは別のフェーズです。
エ(ソフトウェア方式設計):
システム全体の構成やモジュールの分割を設計する工程であり、顧客要望の整理段階ではありません。
難易度
開発工程の流れを理解していれば容易に解ける問題です。ITパスポート試験では頻出の「要件定義」「設計」「テスト」といった工程の役割を理解していないと混乱しやすいため、初心者にとっては基礎知識の確認にも適した問題といえます。
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用語補足
システム要件定義:
システムに求められる業務機能や性能、操作性などを明確にし、文書化する工程です。顧客との打合せで決定される内容が中心です。
ソフトウェア方式設計:
システム要件に基づいて、システム全体の構造を設計する工程です。どのようにモジュールを分割し、どう連携させるかを考えます。
システムテスト:
開発されたシステムが、仕様通りの動作をするかを最終的に検証する工程です。すべての機能や性能要件が満たされているか確認します。
対策
開発工程の基本的な流れ(要件定義→設計→開発→テスト)を明確に理解し、それぞれの工程がどのような目的で何を行うのかを区別できるようにしておくことが重要です。特に要件定義は顧客との接点が多いため、実務でも頻出のテーマです。