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ITパスポート試験 令和元年度 [問40] 過去問解説

問題

問40

アジャイル開発の方法論であるスクラムに関する記述として、適切なものはどれか。

  • ソフトウェア開発組織及びプロジェクトのプロセスを改善するために、その組織の成熟度レベルを段階的に定義したものである。
  • ソフトウェア開発とその取引において、取得者と供給者が、作業内容の共通の物差しとするために定義したものである。
  • 複雑で変化の激しい問題に対応するためのシステム開発のフレームワークであり、反復的かつ漸進的な手法として定義したものである。
  • プロジェクトマネジメントの知識を体系化したものであり、複数の知識エリアから定義されているものである。

[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問40]

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正解

正解は「」です。

解説

 スクラムは、アジャイル開発の代表的な手法の一つで、変化の激しい開発環境において高い柔軟性と迅速な対応力を発揮するための開発フレームワークです。特に、要求や仕様が確定しにくく、変化が予想されるプロジェクトに適しており、短い開発サイクル(スプリント)を繰り返す「反復的・漸進的」な開発スタイルを取ります。

 選択肢ウの「複雑で変化の激しい問題に対応するためのシステム開発のフレームワークであり、反復的かつ漸進的な手法として定義したもの」であるという記述は、まさにスクラムの特徴そのものです。

 一方、他の選択肢はCMMIや共通フレーム、PMBOKなどの別の枠組みの説明であり、スクラムとは異なります。よって、ウが最も適切な選択肢となります。

ア(成熟度レベルを段階的に定義…):
 これはCMMI(Capability Maturity Model Integration)の説明であり、スクラムではありません。
イ(作業内容の共通の物差し…):
 これは「共通フレーム」の説明であり、開発工程の共通認識を目的としたものです。
エ(知識を体系化したもの…):
 これはPMBOK(Project Management Body of Knowledge)に関する説明で、スクラムとは異なる知識体系です。

難易度

 この問題は、スクラムに関する基本的な定義を問うものであり、アジャイル開発の用語に慣れていれば比較的易しく解ける問題です。CMMIやPMBOKなど他の手法との違いを知っていることが、正解の選択に大きく寄与します。

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用語補足

スクラム:
 アジャイル開発の一手法で、短い期間(スプリント)で成果物を繰り返し作成する反復的・漸進的な開発フレームワークです。

CMMI:
 ソフトウェア開発などの組織の成熟度を段階的に評価し、プロセス改善を目的としたモデルです。

PMBOK:
 プロジェクトマネジメントの知識を体系的にまとめたガイドラインで、9つ以上の知識エリアから成り立っています。

対策

 アジャイル開発やスクラムに関する用語は頻出テーマですので、反復的・漸進的開発の特徴や、CMMI・PMBOKなど他の開発管理手法との違いをセットで覚えると、選択肢の判別がしやすくなります。


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