問題
問39
共通フレームの定義に含まれているものとして、適切なものはどれか。
- 各工程で作成する成果物の文書化に関する詳細な規定
- システムの開発や保守の各工程の作業項目
- システムを構成するソフトウェアの信頼性レベルや保守性レベルなどの尺度の規定
- システムを構成するハードウェアの開発に関する詳細な作業項目
[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問39]
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正解
正解は「イ」です。
解説
共通フレームとは、システム開発における作業工程を標準化・体系化したもので、日本では「共通フレーム2013(JIS X 0160)」として定義されています。このフレームは、要件定義から設計、開発、テスト、運用・保守に至るまでのすべての工程における作業項目を明確に示しており、発注者と受注者が共通の認識でプロジェクトを進行させることを目的としています。
選択肢「イ」は、この定義に沿っており、システム開発および保守の各工程における具体的な作業内容が示されているため、共通フレームに含まれる内容として適切です。
一方、成果物の文書化の詳細(ア)やハードウェア開発の詳細作業(エ)は、共通フレームの主目的ではありません。また、「信頼性レベルや保守性レベルの尺度の規定(ウ)」は、品質基準の一部であり、共通フレームの定義とは異なります。
ア(成果物の文書化…):
共通フレームでは文書化そのものよりも「作業項目」に重点が置かれ、成果物の文書化の詳細までは規定していません。
ウ(ソフトウェアの信頼性…):
これはソフトウェア品質モデル(例:ISO/IEC 25010など)の内容であり、共通フレームの範囲外です。
エ(ハードウェアの開発…):
共通フレームは主にソフトウェア開発を対象としており、ハードウェア開発に関する作業までは含みません。
難易度
この問題は、共通フレームの基本的な役割とその定義範囲を知っていれば容易に解ける内容です。共通フレームは発注者と受注者間の共通認識を形成するための基準として重要なものであるため、知識としての優先度は高く、難易度は「やや易しい」と言えます。
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用語補足
共通フレーム:
システム開発に関する作業項目を体系的にまとめたフレームワークで、発注者と受注者の共通言語として機能します。日本では「共通フレーム2013(JIS X 0160)」が代表です。
作業項目:
システム開発における具体的な実施内容(例:要件定義、設計、テストなど)を指します。共通フレームでは各工程の作業が明確に定義されています。
ソフトウェア品質モデル:
ソフトウェアの信頼性・保守性・性能効率などを評価するための基準モデル。例としてISO/IEC 25010があります。
対策
共通フレームに関する問題は頻出ですので、JIS X 0160の概要や目的、対象となる工程・作業項目を覚えておきましょう。また、品質モデル(ISO/IEC 25010)やPMBOKとの違いも整理しておくと、選択肢を見極める力がつきます。