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ITパスポート試験 令和元年度 [問32] 過去問解説

問題

問32

一般消費者向けの製品を製造しているA社では、新製品の開発に当たって、市場を取り巻くマクロ環境を政治、経済、社会、技術の観点について分析することにした。このときに収集すべき情報として、最も適切なものはどれか。

  • 競合企業の経営戦略
  • 競合企業の財務状況
  • 主要仕入先の原材料価格
  • 我が国の高齢化率

[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問32]

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正解

正解は「」です。

解説

 この問題は、企業が新製品を開発する際に「マクロ環境分析」で収集すべき情報に関する理解を問うものです。マクロ環境とは、企業がコントロールできない外部要因であり、PEST分析(Politics=政治、Economy=経済、Society=社会、Technology=技術)の視点で分析することが一般的です。

 選択肢エの「我が国の高齢化率」は、社会的要因(Society)に該当し、高齢者向け市場のニーズを把握するために重要な情報です。高齢化率が上昇することで、介護用品、健康食品、バリアフリー商品など新しい市場の可能性が見込まれます。

 一方、選択肢ア~ウは、いずれも業界や取引先といった「ミクロ環境」に関するものであり、今回のマクロ環境分析の目的には合致しません。

ア(競合企業の経営戦略):
 競合の動向はミクロ環境分析の対象であり、マクロ環境分析には該当しません。

イ(競合企業の財務状況):
 競合他社の財務データもミクロ環境であり、企業の外部環境の中でも直接競争に関する情報です。

ウ(主要仕入先の原材料価格):
 原材料の価格は取引先の状況に左右されるため、これもミクロ環境に属します。

難易度

 本問は「マクロ環境」と「ミクロ環境」の違いを明確に理解しているかがカギです。PEST分析という基本的なフレームワークに基づく出題であるため、基本を押さえていれば正解しやすい問題です。難易度は「やや易しい」といえます。

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用語補足

PEST分析:
 マクロ環境を政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の観点から分析する手法。市場の機会や脅威を把握するのに有効です。

マクロ環境:
 企業が直接コントロールできない社会的・経済的な大きな外部要因。例としては法改正、人口動態、技術革新などが挙げられます。

高齢化率:
 総人口に占める65歳以上の高齢者の割合。社会のニーズや消費傾向に大きな影響を及ぼすため、企業の市場分析において重要です。

対策

 PEST分析は経営戦略の基本的なフレームワークの一つとして頻出です。マクロ環境とミクロ環境の違いを明確にし、それぞれに含まれる具体的な要素(例:人口動態、競合の動向)を整理して覚えることが重要です。


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