問題
問30
デザイン思考の例として、最も適切なものはどれか。
- Webページのレイアウトなどを定義したスタイルシートを使用し、ホームページをデザインする。
- アプローチの中心は常に製品やサービスの利用者であり、利用者の本質的なニーズに基づき、製品やサービスをデザインする。
- 業務の迅速化や効率化を図ることを目的に、業務プロセスを抜本的に再デザインする。
- データと手続を備えたオブジェクトの集まりとして捉え、情報システム全体をデザインする。
[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問30]
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正解
正解は「イ」です。
解説
デザイン思考(Design Thinking)とは、利用者の視点に立って課題を発見し、共感・問題定義・創造・試作・検証といったステップを通じて革新的な解決策を生み出すアプローチです。最大の特徴は「利用者中心」であり、製品やサービスを作るにあたってユーザーの本質的なニーズを深く理解し、それに基づいたアイデアを創出する点にあります。
本問において、選択肢イは「利用者の本質的なニーズに基づき、製品やサービスをデザインする」としており、まさにデザイン思考の核心を示しています。
一方、他の選択肢はWebデザイン、業務プロセス改善、情報システム設計など別の分野の説明であり、デザイン思考の定義からは外れています。
ア(Webページのレイアウト…):
これはCSSなどを用いたWebページの技術的な構成の話であり、デザイン思考とは無関係です。
ウ(業務の迅速化や効率化を図る…):
業務プロセスの再設計(BPR:Business Process Re-engineering)に関する内容であり、目的や視点が異なります。
エ(データと手続を備えたオブジェクト…):
これはオブジェクト指向設計やシステムアーキテクチャに関する考え方で、ユーザー視点を中心とするデザイン思考とは異なります。
難易度
この問題は、デザイン思考という比較的新しい概念の本質を理解していないと正答が難しい一方で、選択肢の中に明確に「ユーザーのニーズに基づく」というキーワードが含まれているため、丁寧に読めば正答にたどり着ける構成です。難易度は「やや易しい」と言えます。
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用語補足
デザイン思考:
利用者のニーズに共感し、その課題を深く理解したうえで、創造的かつ実験的に解決策を模索する考え方です。Appleの製品開発などで活用されています。
共感(Empathy):
デザイン思考の第一ステップで、ユーザーの感情や行動を観察して本質的なニーズを理解するプロセスです。
対策
デザイン思考は技術戦略マネジメントの分野で注目されており、利用者視点での製品・サービス設計が重視されています。定義だけでなく、共感・定義・創造・試作・テストというプロセスも併せて理解しておくと良いでしょう。