問題
問3
IoTの事例として、最も適切なものはどれか。
- オークション会場と会員のPCをインターネットで接続することによって、会員の自宅からでもオークションに参加できる。
- 社内のサーバ上にあるグループウェアを外部のデータセンタのサーバに移すことによって、社員はインターネット経由でいつでもどこでも利用できる。
- 飲み薬の容器にセンサを埋め込むことによって、薬局がインターネット経由で服用履歴を管理し、服薬指導に役立てることができる。
- 予備校が授業映像をWebサイトで配信することによって、受講者はスマートフォンやPCを用いて、いつでもどこでも授業を受けることができる。
[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問3]
スポンサーリンク
正解
正解は「ウ」です。
解説
選択肢ウは「飲み薬の容器にセンサを埋め込むことによって、薬局がインターネット経由で服用履歴を管理し、服薬指導に役立てることができる」という内容で、これはIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の典型的な事例です。
IoTとは、センサやネットワークを通じてモノがインターネットにつながり、自動的にデータを収集・送信・制御する技術のことを指します。薬の容器にセンサを組み込むことで、服用状況などの情報を自動で収集し、それをインターネット経由で薬局に送信することで、患者の服薬状況を適切に把握できます。
このように、「モノ」から自動的にデータを取得し、その情報を元に人の支援に活かすという点が、まさにIoTの本質です。たとえば、冷蔵庫が中身の減少を自動検知してネットで再注文するような仕組みもIoTの一例です。
- ア(オークション会場と会員のPC…):
インターネットを利用したオンライン参加の事例ですが、モノにセンサやネットワーク機能を持たせて自動的にデータをやりとりするIoTとは異なります。 - イ(グループウェアを外部サーバに…):
これはクラウドサービスの活用例であり、IoTとは関係がありません。IoTのようにモノが自動でデータを送信する仕組みは含まれていません。 - エ(授業映像をWebサイトで配信…):
これはeラーニングの活用例で、IoTではありません。映像配信はインターネットを活用したサービスの一つですが、センサなどの物理的デバイスとの連携はないため、IoTには該当しません。
難易度
この問題はIoTの基本的な定義を理解していれば正解できる問題であり、難易度は「やや易しい」です。選択肢の中にはクラウドやeラーニングといったよく似たIT用語の活用例が含まれているため、混同しやすい点には注意が必要です。しかし、IoTの「モノとインターネットの連携」という特徴を押さえていれば、迷わず選べるでしょう。
スポンサーリンク
用語補足
IoT(Internet of Things):
モノ(Things)にセンサや通信機能を搭載し、インターネットを通じて情報をやり取りする技術です。例えばスマート家電や、工場内の生産設備の状態監視などがIoTの事例です。
クラウドサービス:
データやソフトウェアなどを自社のコンピュータに保存するのではなく、インターネットを通じて外部のサーバで利用するサービスです。GmailやGoogleドライブもクラウドの一種です。
eラーニング:
インターネットを通じて授業や教材を提供する学習形態です。自宅でも学習できるメリットがありますが、センサとの連携は通常含まれていません。
対策
IoTの定義と、それに該当する具体的な活用事例を正確に押さえることが重要です。他のIT技術(クラウド、eラーニングなど)との違いにも注目して整理しましょう。IoTのキーワードは「センサ」「モノ」「ネットワーク経由の自動情報収集」です。