問題
問24
著作権法における著作権に関する記述のうち、適切なものはどれか。
- 偶然に内容が類似している二つの著作物が同時期に創られた場合、著作権は一方の著作者だけに認められる。
- 著作権は、権利を取得するための申請や登録などの手続が不要である。
- 著作権法の保護対象には、技術的思想も含まれる。
- 著作物は、創作性に加え新規性も兼ね備える必要がある。
[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問24]
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正解
正解は「イ」です。
解説
正解は「イ」の「著作権は、権利を取得するための申請や登録などの手続が不要である」です。著作権は、著作物を創作した時点で自動的に発生する権利であり、特許権や商標権のように登録手続を必要としない「無方式主義」を採用しています。
そのため、作家が小説を書いた瞬間やイラストレーターが絵を描いた瞬間に、その著作物には著作権が付与されます。これにより、著作者は他者による無断使用や複製などを防ぐことができます。
一方、他人と全く同じような内容であっても、それぞれが独立して創作したものであれば、それぞれに著作権が成立します。また、著作権法はあくまで思想や感情を創作的に表現したものを対象としており、技術的思想(例:アルゴリズムやアイデア)は対象外となります。著作物に新規性が必要という要件もなく、オリジナリティ(創作性)のみが重要です。
ア(偶然に内容が類似している二つの著作物が…):
同一または類似の著作物であっても、各々が独自に創作されたものであれば、それぞれに著作権が発生します。
ウ(著作権法の保護対象には、技術的思想も…):
技術的思想やアイデア自体は著作権の保護対象外です。著作権は表現された内容のみを保護します。 エ(著作物は、創作性に加え新規性も…):
著作物には創作性(オリジナリティ)は必要ですが、新規性(新しさ)は要求されません。特許とは異なる要件です。
難易度
この問題は、著作権の基本的な性質である「無方式主義」について正しく理解していれば容易に正解できます。選択肢には他の知的財産権と混同しやすい内容も含まれているため、著作権の特徴を明確に整理して覚えておくことが重要です。難易度はやや易しめです。
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用語補足
著作権:
創作された文芸・学術・美術・音楽などの著作物に発生する権利です。申請不要で自動的に発生し、著作物の無断使用を禁止できます。
無方式主義:
著作権が申請や登録などの手続きを経ずに自動的に発生する仕組みを指します。日本を含む多くの国がこの方式を採用しています。
対策
著作権の特徴である「創作時に自動的に発生」「技術的アイデアは保護対象外」「新規性は不要」といったポイントを押さえておきましょう。他の知的財産権(特許権・商標権など)との違いを比較しながら学習することで、理解が深まります。法務分野は頻出なので繰り返し復習が有効です。