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ITパスポート試験 令和元年度 [問1] 過去問解説

問題

問1

労働者派遣法に基づき、A社がY氏をB社へ派遣することとなった。このときに成立する関係として、適切なものはどれか。

  • A社とB社との間の委託関係
  • A社とY氏との間の労働者派遣契約関係
  • B社とY氏との間の雇用関係
  • B社とY氏との間の指揮命令関係

[出典:ITパスポート試験 令和元年度 問1]

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正解

正解は「」です。

解説

 労働者派遣契約においては、「雇用主(派遣元)」と「派遣労働者」、「派遣先企業」の三者の関係が明確に分かれています。A社が派遣元、B社が派遣先、Y氏が派遣労働者となります。Y氏はA社と雇用契約を結んでおり、給与の支払いや福利厚生などの雇用管理はA社が行います。

 一方で、業務の指示や命令は、派遣先であるB社がY氏に対して直接行います。このような関係を「指揮命令関係」と言います。  
 例えば、Y氏がB社のオフィスで働いているとき、「この書類を明日までに提出してください」といった業務命令はB社の担当者が出すことになります。これは雇用契約がないにも関わらず、業務に関してはB社の管理下にあるためです。

 このように、派遣労働者は派遣元に雇用されつつも、指示を受けるのは派遣先であるという独特の関係性にあります。そのため、正解は「エ:B社とY氏との間の指揮命令関係」となります。

ア(A社とB社との間の委託関係):
 委託関係は業務委託契約に基づくものであり、労働者派遣契約とは異なります。派遣では労働者を他社に送り業務に従事させるため、委託契約ではなく「労働者派遣契約」が該当します。

イ(A社とY氏との間の労働者派遣契約関係):
 A社とY氏の間に成立するのは「雇用契約」であり、派遣契約はA社(派遣元)とB社(派遣先)の間で締結されるものです。

ウ(B社とY氏との間の雇用関係):
 B社とY氏の間には直接の雇用契約は存在しません。Y氏はA社に雇用されており、給与などもA社から支払われます。

難易度

 この問題は労働者派遣の仕組みに関する基本的な知識を問うものであり、初学者でも理解しやすい内容です。派遣の三者の関係性(雇用契約、派遣契約、指揮命令関係)を理解していれば迷わずに正解できます。そのため、難易度は「易しい」と言えるでしょう。

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用語補足

労働者派遣契約:
 労働者派遣契約とは、派遣元(例:A社)が自社の社員を、派遣先(例:B社)に一定期間派遣して働かせるために締結される契約です。派遣先では労働者が指揮命令を受ける一方、給与は派遣元から支払われます。

指揮命令関係:
 これは業務の指示や命令を出す立場とそれに従う立場との関係です。派遣労働者は派遣先の会社の管理下で業務に従事するため、派遣先の担当者から指示を受けることになります。

対策

 この問題に対応するには、労働者派遣に関する三者の関係(雇用関係・派遣契約・指揮命令関係)を正確に理解しておくことが重要です。特に「誰が誰に指示を出すのか」「誰が雇用しているのか」を区別する力が求められます。図解での確認も効果的です。


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