問題
問81
次のうち、コンピュータにおける「キャッシュメモリ」の主な役割として最も適切なものはどれか。
- CPUとメインメモリ間のデータ転送を高速化する
- データベースの容量を増加させる
- OSの起動時間を長くする
- ソフトウェアのライセンス認証を行う
正解
正解は「ア」です。
解説
キャッシュメモリとは、CPUとメインメモリ(主記憶装置)の間に設けられる高速な記憶装置のことで、データの読み書きを高速化する役割を持っています。CPUは高速に動作していますが、メインメモリのアクセス速度はそれに比べて遅いため、CPUが直接メインメモリにアクセスすると処理が遅くなってしまいます。そこで、よく使うデータや命令を一時的にキャッシュメモリに保存し、CPUがすぐにアクセスできるようにすることで全体の処理速度を大幅に向上させます。このため、「CPUとメインメモリ間のデータ転送を高速化する」という選択肢が正解になります。
例えば、書類を大量に扱う作業で、よく使う書類を手元の机に置いておくイメージです。毎回書類棚(メインメモリ)まで取りに行くより、机(キャッシュメモリ)に置いてあれば素早く手に取れて作業が速くなります。これによりコンピュータの処理がスムーズに進みます。
一方、他の選択肢はキャッシュメモリの役割とは異なります。データベースの容量増加はストレージの話であり、OSの起動時間を長くすることは望ましいことではなく、キャッシュメモリはむしろ起動時間を短縮することに寄与します。ソフトウェアのライセンス認証はセキュリティ機能であり、キャッシュメモリとは無関係です。以上の理由からアが正しい選択肢となります。
- イ(データベースの容量を増加させる):
キャッシュメモリは容量を増やすものではなく、高速なデータ転送を目的に使用されます。データベースの容量増加はストレージやディスクの話です。 - ウ(OSの起動時間を長くする):
キャッシュメモリは処理速度を速める役割があり、OSの起動時間を長くすることはありません。むしろ起動時間を短縮する助けになります。 - エ(ソフトウェアのライセンス認証を行う):
ライセンス認証はセキュリティ管理の機能であり、キャッシュメモリの役割とは全く関係ありません。
難易度
この問題はコンピュータの基本的なハードウェア構成に関する知識を問うものです。キャッシュメモリの役割を理解していれば解けるため、IT初心者でも十分に対応可能なレベルであり、難易度は「やや易しい」と言えます。
用語補足
キャッシュメモリ:
CPUとメインメモリの間にある高速な記憶装置で、よく使うデータや命令を一時的に保存し処理速度を向上させます。例えば机の上に置く書類のような役割です。
CPU:
コンピュータの中心処理装置で、計算や制御を行います。人間で例えると脳にあたります。
メインメモリ:
主記憶装置とも呼ばれ、CPUが直接読み書きする記憶装置です。作業机のように情報を一時的に保存しますが、キャッシュメモリよりは遅いです。
対策
キャッシュメモリはコンピュータの処理速度に大きく影響する重要な要素です。基本的な役割やCPUとの関係を教科書や参考書でしっかり学習し、身近な例えを交えて理解を深めることで、試験でも正確に答えられるようになります。