問題
問74
次のうち、通信プロトコルの「HTTPS」の特徴として最も適切なものはどれか。
- 通信内容がすべて平文で送られる
- SSL/TLSを用いて暗号化通信を行う
- ファイル転送専用に使われる
- SMTPと組み合わせて使用される
正解
正解は「イ」です。
解説
正解は「SSL/TLSを用いて暗号化通信を行う」です。HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)は、通常のHTTP通信に暗号化機能を追加した通信プロトコルで、Webサイトの安全性を高めるために広く使用されています。HTTPSでは、通信内容が第三者に傍受されたり改ざんされたりすることを防ぐために、SSL(Secure Sockets Layer)やTLS(Transport Layer Security)という暗号化技術が使われます。
例えば、インターネットでクレジットカード情報を入力するとき、HTTPSが使われていれば、その情報は暗号化されて送信されるため、安全性が高くなります。 具体的には、HTTPSでは通信の始めにSSL/TLSによるハンドシェイクと呼ばれるやり取りを行い、通信を行う相手と暗号鍵を共有します。その後の通信は、その暗号鍵を使って暗号化され、改ざんや盗聴が防止されます。
日常生活で例えると、HTTPSは「封筒に入れて手紙を送る」ようなもので、HTTPは「はがきで手紙を送る」ような状態です。HTTPSの「封筒」にあたる部分がSSL/TLSであり、内容を他人に見られないよう守ってくれる役割を果たします。このように、HTTPSはセキュリティの確保に欠かせない通信プロトコルなのです。
- ア(通信内容がすべて平文で送られる):
HTTPSは通信内容を暗号化するプロトコルであり、「平文」で送るのはHTTPです。この選択肢はHTTPと混同しているため誤りです。 - ウ(ファイル転送専用に使われる):
ファイル転送に特化したプロトコルはFTPやSFTPです。HTTPSは主にWebページの表示やフォームの送信に使われるため、用途が異なります。 - エ(SMTPと組み合わせて使用される):
SMTPは電子メールの送信に使われるプロトコルであり、HTTPSとは直接関係がありません。混同しないように注意が必要です。
難易度
この問題は通信プロトコルの基本的な知識を問うもので、IT未経験者にとっても難易度は低めです。HTTPSは日常的に利用されるため、具体的な利用場面をイメージしやすく、消去法でも正解にたどり着きやすい問題です。
用語補足
HTTPS:
HTTPに暗号化機能を加えた通信プロトコルで、安全なWeb通信を実現します。URLが「https://」で始まるサイトがこれにあたります。
SSL/TLS:
インターネット通信の暗号化に使われる技術です。SSLは古い名称で、現在はTLSが主流です。送信内容を他人に読まれたり、改ざんされたりすることを防ぎます。
SMTP:
電子メールを送信するためのプロトコルです。HTTPSとは用途が異なり、メールの送信に使われます。Webサイトの閲覧には関係しません。
対策
HTTPSは日常生活にも深く関わる重要なプロトコルですので、暗号化の仕組みや利用場面を具体的にイメージして理解しましょう。HTTPやFTPなど他のプロトコルと混同しやすいため、用途の違いを一覧表などで整理しておくと効果的です。