問題
問64
次のうち、クラウドコンピューティングにおける「SaaS(Software as a Service)」の例として最も適切なものはどれか。
- Webブラウザで利用できる表計算ソフト
- 仮想サーバを提供するサービス
- ネットワーク構成図の設計ツール
- 業務フロー自動化のRPAエンジン
正解
正解は「ア」です。
解説
正解は「Webブラウザで利用できる表計算ソフト」です。SaaS(Software as a Service)はクラウドコンピューティングのサービス形態の一つで、インターネット経由でソフトウェアを利用するサービスを指します。利用者はソフトを自分のパソコンにインストールする必要がなく、Webブラウザからアクセスして機能を利用します。
たとえば、Googleのスプレッドシートのように、表計算ソフトをオンラインで使用できるサービスが典型的なSaaSです。この方式のメリットは、ソフトのアップデートやメンテナンスをサービス提供側が行い、利用者は常に最新の状態で使えること、また導入コストが抑えられることです。
日常の例で言えば、図書館の本を借りるように、必要なときにWeb上のソフトを借りて使うイメージです。一方、SaaS以外のクラウドサービスには、IaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)があり、それぞれ仮想サーバや開発環境の提供に特化しています。問題の選択肢の中で「Webブラウザで利用できる表計算ソフト」がSaaSに該当し、最も適切な例です。
- イ(仮想サーバを提供するサービス):
これはIaaS(Infrastructure as a Service)に該当し、ハードウェアの仮想化環境を提供するサービスであり、SaaSとは異なります。 - ウ(ネットワーク構成図の設計ツール):
これがSaaSで提供される場合もありますが、単に設計ツールというだけではサービス形態が特定できません。選択肢としては曖昧です。 - エ(業務フロー自動化のRPAエンジン):
RPAは自動化ツールであり、サービス形態としてSaaSもありますが、単に「RPAエンジン」とあるだけでは必ずしもSaaSを示すものではありません。
難易度
この問題はクラウドコンピューティングの基本的なサービスモデルを理解しているかどうかを問うものです。SaaSの具体例を知っていれば比較的簡単ですが、IaaSやPaaSとの違いを理解していないと迷いやすいため、基本用語の整理が必要な初心者向けの問題です。
用語補足
SaaS(Software as a Service):
インターネットを通じてソフトウェアをサービスとして提供する形態です。ユーザーは自分でインストールせずにWebブラウザなどから利用します。例としてGoogle WorkspaceやMicrosoft 365があります。
IaaS(Infrastructure as a Service):
ネットワークやサーバなどの基盤部分を仮想的に提供するサービスです。利用者は必要な分だけリソースを借りて使います。例としてAmazon EC2があります。
RPA(Robotic Process Automation):
人間の操作を自動化する技術です。定型業務をソフトウェアロボットが代行することで効率化します。例として業務フローの自動化が挙げられます。
対策
クラウドコンピューティングのサービスモデル(SaaS、IaaS、PaaS)を体系的に理解することが重要です。具体的なサービス例を覚え、どの形態に該当するかを区別できるようにしましょう。過去問を繰り返し解いて知識を定着させることが効果的です。