問題
問43
次のうち、AIのディープラーニング技術が特に有効とされる分野として最も適切なものはどれか。
- 表計算ソフトによる財務処理
- ルールベースでの業務フロー設計
- 手作業によるデータ転記
- 画像認識による物体検出
正解
正解は「エ」です。
解説
正解は「画像認識による物体検出」です。ディープラーニング(深層学習)は、AI技術の中でも特に画像認識や音声認識などの分野で高い性能を発揮する技術です。人間の脳の神経構造を模した「ニューラルネットワーク」を多層構造にしたモデルであり、大量のデータを処理することでパターンや特徴を自動的に学習できます。
例えば、自動運転車が道路上の人や標識を識別する場面では、カメラ画像から物体を検出する必要があります。こうした処理にディープラーニングが使われており、人間の目では瞬時に判断しにくい状況でも正確に識別が可能になります。
一方で、単純なルールで対応できる業務や、定型的な事務処理のような作業は、ディープラーニングを使わなくても十分に自動化できるため、本問題では「画像認識による物体検出」が最も適切な選択肢となります。
- ア(表計算ソフトによる財務処理):
表計算ソフトによる財務処理は、決まった計算やルールに基づく処理であり、AIのような学習機能や高度な推論能力を必要としないため、ディープラーニングの利点が活かされません。 - イ(ルールベースでの業務フロー設計):
業務フローの設計は、明確なルールや手順が存在するため、論理的な設計で対応可能です。ディープラーニングのような柔軟な判断を必要とする場面ではないため適していません。 - ウ(手作業によるデータ転記):
データ転記は単純作業であり、自動化ツールやRPAの方が有効です。AIの中でもディープラーニングのような高度な技術を用いる必要がない作業です。
難易度
この問題の難易度は「やや易しい」です。ディープラーニングが注目されている分野はニュースや社会的にもよく話題になるため、基本的な知識があれば答えやすい問題です。ただし、AIの各技術の使いどころを把握していないと迷いやすい点があります。
用語補足
ディープラーニング:
人工知能(AI)の一種で、人間の脳のようにデータから自動で特徴を学ぶ「ニューラルネットワーク」を深く多層にした構造です。画像認識や音声認識などに特に効果を発揮します。
画像認識:
写真や動画に含まれる情報から人・物・文字などを識別する技術です。顔認証や監視カメラ、医療画像の診断などで活用されています。
物体検出:
画像や映像内にある特定の物体(車・人・動物など)を識別して位置を特定する技術です。自動運転や監視カメラなどで活躍しています。
対策
AI技術の中でも、どの技術がどの分野に適しているのかを整理して覚えることが重要です。特にディープラーニングは、画像・音声といった「非構造データ」の処理に強みがあります。問題文の中に「画像」「音声」「自然言語」などが含まれていたら、ディープラーニングと結びつけて考える習慣をつけましょう。