問題
問33
以下のうち、データベースの正規化を行う主な目的として最も適切なものはどれか。
- 画面表示を高速化する
- ユーザーインタフェースを簡素化する
- データの重複を排除し、整合性を保つ
- ストレージ容量を増やす
正解
正解は「ウ」です。
解説
正規化とは、データベース設計において、データの重複を排除し、論理的な構造に整える手法のことです。選択肢「ウ」は「データの重複を排除し、整合性を保つ」とあり、正規化の目的を正しく表しています。正規化を行うことで、同じデータが複数の場所に存在することを防ぎ、更新時に一貫性が保たれやすくなります。
例えば、社員データと部署データを1つの表にまとめていると、部署名が変更された際に複数のレコードを更新する必要があり、ミスが起こる可能性があります。しかし、部署情報を別の表に分けて社員表とリレーションさせることで、部署情報を一か所で管理でき、整合性が保たれます。
つまり、正規化は効率的かつ正確なデータ管理のために不可欠な手法であり、大量のデータを扱う現場では特に重要です。これによりデータの無駄がなくなり、操作やメンテナンスの手間も軽減されます。
- ア(画面表示を高速化する):
正規化はデータ構造を整理することが目的であり、表示速度の向上は直接的な目的ではありません。むしろ結合処理が増えることで表示が遅くなることもあります。 - イ(ユーザーインタフェースを簡素化する):
ユーザーインタフェースの設計は画面の使いやすさや見た目に関するもので、正規化とは無関係です。正規化はデータベース内部の構造に関する技術です。 - エ(ストレージ容量を増やす):
ストレージ容量を増やすのはハードウェアの話で、正規化によって容量が増えるわけではありません。むしろ重複を排除するため、必要な容量が削減されることもあります。
難易度
この問題はデータベースの基本的な概念である「正規化」の目的について問うものであり、初心者にとっても比較的取り組みやすい内容です。専門用語が登場しますが、選択肢の中に明らかな誤りが含まれているため、正解にたどり着きやすい設問となっています。
用語補足
正規化:
正規化とは、データベース内のデータを一定のルールに従って整理し、重複や矛盾を排除するプロセスのことです。例えるなら、散らかった本棚をジャンルや著者ごとにきちんと整理するイメージです。
データの整合性:
データの整合性とは、データに矛盾がない状態を意味します。たとえば、社員の部署名が複数の場所で違う表記になっていると整合性が失われているといえます。
ユーザーインタフェース:
ユーザーインタフェース(UI)は、ユーザーがソフトウェアやシステムとやり取りする画面や操作方法のことです。スマホのホーム画面などが例です。
対策
この問題を解くためには、正規化の基本的な目的と、データベース設計の考え方をしっかりと理解しておく必要があります。特に「データの重複排除」「整合性保持」といったキーワードを押さえ、他の目的と混同しないようにしましょう。データベース関連の用語も併せて学習しておくと応用問題にも対応しやすくなります。