問題
問15
次の文章のうち、量子コンピュータの特徴として適切なものはどれか。
- すべての処理を直列に実行し、順序が重要になる
- 古典的ビットのみを使用して、デジタル処理を行う
- 電力消費が大きく、クラウドでの運用は困難である
- 重ね合わせや量子もつれを利用して、高速な並列処理が可能になる
正解
正解は「エ」です。
解説
量子コンピュータは、量子力学の原理である「重ね合わせ」と「量子もつれ」を活用して情報処理を行います。これにより、古典的なコンピュータでは直列的に処理するしかないような膨大な計算問題も、一度に多数の状態を同時に処理できる可能性があり、大幅な処理速度向上が期待されます。
特に、暗号解読や分子シミュレーションといった高度な計算分野で活躍が期待されています。選択肢エは、量子コンピュータの本質的な特性である「重ね合わせ」や「量子もつれ」による並列処理の能力を正しく説明しているため、これが正解です。
ア(すべての処理を直列に実行し、順序が重要になる):
これは古典的なコンピュータの特徴です。量子コンピュータは並列的な処理を得意とし、直列処理が前提ではありません。
イ(古典的ビットのみを使用して、デジタル処理を行う):
量子コンピュータは「量子ビット(キュービット)」を用いて処理を行います。古典的ビットは通常のコンピュータで使われる概念です。
ウ(電力消費が大きく、クラウドでの運用は困難である):
一部の量子コンピュータは特殊な冷却装置が必要なため電力を消費しますが、「クラウドでの運用が困難」というのは誤りで、現在ではクラウド経由で量子計算リソースを提供するサービスも存在します。
難易度
この問題は基礎的なITリテラシーと量子コンピュータに関する一般的な知識を問う内容です。技術的な詳細は求められていないため、IT未経験者でも文章理解力があれば正解にたどり着けるレベルです。よって難易度は「やや易しい」と言えます。
用語補足
量子コンピュータ:
量子力学に基づいた計算技術で、通常のビットではなく「量子ビット(キュービット)」を使って情報を処理します。複数の状態を同時に扱えるため、高速な並列処理が可能です。
重ね合わせ:
量子ビットが「0」と「1」の両方の状態を同時に取ることができる性質。これにより複数の計算を一度に進めることができます。
量子もつれ:
二つの量子ビットが強く関係し合い、互いの状態が連動して変化する現象。離れていても状態がリンクすることで、情報処理の効率化が期待されます。
対策
量子コンピュータに関する問題は、今後のIT技術に対する基礎知識として出題されやすくなっています。基礎用語である「重ね合わせ」や「量子もつれ」、従来のコンピュータとの違いをおさえておくことで、類似問題にも対応できるようになります。