問題
問85
次のうち、企業がイノベーションを継続的に生み出すための仕組みとして最も適切なものはどれか。
- 同じチームで長期間プロジェクトを続ける体制
- 利益を確保するために既存製品だけに集中する体制
- 社内外の知見を取り入れて常に新たな価値創出を目指す体制
- 役員だけで企画を検討し、現場には関与させない体制
正解
正解は「ウ」です。
解説
正解は「ウ」の「社内外の知見を取り入れて常に新たな価値創出を目指す体制」です。この選択肢は、イノベーションを継続的に生み出すために最も重要な考え方である「オープンイノベーション」に基づいています。イノベーションとは、単なる技術革新にとどまらず、既存の価値観を覆したり、新しい市場を創造したりする新たな価値の創出を指します。
企業が常に変化し続ける市場や顧客ニーズに対応するには、自社の枠にとらわれず、他社・大学・研究機関など外部の知見やアイデアも積極的に取り入れる姿勢が必要です。
たとえば、社内で開発した技術と、外部パートナーの新しいアイデアを組み合わせて新製品を開発することなどが挙げられます。このような仕組みにより、企業は常に新しい発想を取り込み、変化に対応し続けることができ、継続的なイノベーションの実現が可能になります。
- ア(同じチームで長期間プロジェクトを続ける体制):
長期間同じメンバーで仕事を続けると、安定は得られますが、新しい発想が生まれにくくなり、イノベーションが停滞しがちです。 - イ(利益を確保するために既存製品だけに集中する体制):
既存製品の改善に集中することは重要ですが、それだけでは新しい市場や価値を生むイノベーションにはつながりません。 - エ(役員だけで企画を検討し、現場には関与させない体制):
現場の意見やアイデアを無視すると、多様な視点を取り入れられず、柔軟な発想が生まれにくくなります。ボトムアップの仕組みも大切です。
難易度
この問題は、イノベーションに関する基礎的な知識を問うもので、用語自体に難しさはありませんが、「イノベーションの継続性」という視点が理解できているかが問われます。初学者にとってはやや抽象的に感じられる可能性がありますが、日常の企業活動をイメージすれば理解しやすい内容です。難易度は「やや易しい」と言えます。
用語補足
イノベーション:
新しい製品・サービス・ビジネスモデルなどを創出し、既存の市場に変革をもたらすことです。たとえば、スマートフォンの登場が電話やPCの使い方を大きく変えたのはイノベーションの例です。
オープンイノベーション:
自社だけでなく、社外の知識・技術・アイデアなどを積極的に取り入れてイノベーションを促進する考え方です。たとえば、他社との共同開発や大学との連携研究などがあります。
価値創出:
顧客や社会にとって意味のある、新しい商品やサービスを生み出すことです。たとえば、宅配サービスで「便利さ」という新しい価値を提供することも価値創出です。
対策
イノベーションに関する問題では、「新しい価値をどうやって生み出すか」「継続的な改善には何が必要か」といった視点を意識して学習しましょう。特に「オープンイノベーション」などのキーワードは頻出なので、その意味や背景を具体例とともに理解しておくことが重要です。