問題
問84
経営資源のうち、「人的資源」に該当するものとして最も適切なものはどれか。
- 自社で保有する工場設備
- 従業員の知識や技能、経験
- 販売する商品やサービス
- 特許や著作権などの知的財産
正解
正解は「イ」です。
解説
この問題は、経営資源の分類に関する基本的な知識を問うものです。正解の「イ:従業員の知識や技能、経験」は、「人的資源」に該当します。人的資源とは、企業がもつ従業員そのものや、従業員が保有する知識、技術、ノウハウ、経験などを指し、企業活動の根幹を支える重要な資源です。
たとえば、製品を企画するアイデア、顧客対応のスキル、トラブル対応の柔軟性などは、すべて従業員に依存しており、それらは企業の強みとして蓄積されます。 一方で、経営資源は「ヒト(人的資源)・モノ(物的資源)・カネ(財務資源)・情報」の4つに分類されることが多いです。
このうち「ヒト」に該当するのが、今回の選択肢「イ」です。経営学では、技術や製品の差別化が難しくなる中で、「人的資源」の重要性がさらに増しているとされ、企業の競争優位を生む源泉にもなります。 日常に例えると、料理店では、同じ調理器具を使っていても、腕の良いシェフがいるお店のほうが人気が出ることがあります。このように「人」の能力は他と差別化しやすく、企業価値に直結するのです。
- ア(自社で保有する工場設備):
工場設備は「物的資源」に該当します。建物や機械設備などのハードウェア的な資源であり、「人的資源」ではありません。 - ウ(販売する商品やサービス):
商品やサービスは「製品資源」や「提供価値」に分類され、経営資源の中では「モノ」や「サービス」に当たります。「人的資源」ではありません。 - エ(特許や著作権などの知的財産):
これらは「情報資源」や「知的資源」とされるもので、法律によって保護された無形の資産です。人的資源とは別のカテゴリーに分類されます。
難易度
この問題は経営資源の分類という基礎知識を問う内容であり、ITパスポート試験の中でも比較的易しいレベルの問題です。用語さえ理解していれば直感的に答えやすく、初学者でも得点源にしやすい問題と言えます。
用語補足
人的資源:
経営資源のひとつで、従業員の能力、知識、スキル、経験など、人間に関するあらゆる要素を含みます。人材の教育やモチベーション管理も含まれます。
経営資源:
企業が経営活動を行う上で必要な「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つの基本的な資源を指します。これらを有効活用することで競争力を高めます。
知的財産:
特許権や著作権など、創作や発明によって生まれる無形の資産です。法律により保護され、企業の競争優位性に貢献する重要な資源です。
対策
この問題のように、経営資源の4分類(人的・物的・財務・情報)は頻出テーマです。それぞれに該当する具体例を整理して覚えておくと、類似問題にも対応しやすくなります。過去問を活用して反復学習するのがおすすめです。