問題
問83
「コアコンピタンス」に関する説明として最も適切なものはどれか。
- 他社には真似できない、企業の中核的な強み
- 商品ラインアップの豊富さを表す企業の特色
- 外部から調達した技術の導入状況
- 販売促進キャンペーンの広告内容
正解
正解は「ア」です。
解説
「コアコンピタンス」とは、企業が他社と差別化し、競争優位を築くための中核的な能力や技術のことを指します。これは、企業独自のノウハウやスキル、組織文化、技術などから成り立ち、他社には模倣が難しい強みです。
たとえば、あるメーカーが長年にわたって蓄積してきた精密な加工技術や、生産工程における独自のノウハウなどは、外部から簡単に真似できるものではありません。これがあるからこそ、企業は価格競争に巻き込まれずに、独自の価値を提供できます。
選択肢アの「他社には真似できない、企業の中核的な強み」は、このコアコンピタンスの定義に一致しており、最も適切です。これにより企業は持続的な成長や競争優位を維持できます。なお、単なる商品数の多さや広告活動、外部技術の導入は、コアコンピタンスとは異なり、誰でも容易に模倣可能な要素です。そのため、それらは戦略的な差別化要因にはなりにくいのです。
- イ(商品ラインアップの豊富さを表す企業の特色):
商品数の多さやラインアップの広さは、一時的な魅力にはなりますが、他社も同様に商品を追加すれば再現可能です。これは中核的な強みとは言えず、コアコンピタンスとは異なります。 - ウ(外部から調達した技術の導入状況):
外部からの技術導入は、企業の技術的基盤を強化する手段の一つですが、他社も同じように調達できるため差別化にはなりません。よってコアコンピタンスとは言えません。 - エ(販売促進キャンペーンの広告内容):
広告は一時的な集客や認知向上には役立ちますが、他社も容易に似た施策を行うことができるため、企業の持続的な強みとは言えず、コアコンピタンスには当たりません。
難易度
本問題は「コアコンピタンス」という基本的な経営戦略の用語に関する知識が問われるため、初心者でも比較的取り組みやすい内容です。用語の意味をしっかり理解していれば消去法でも正解できます。ただし、経営用語に馴染みがない人には少し難しく感じるかもしれません。
用語補足
コアコンピタンス：
他社が真似できないような企業の核となる強みや技術のことです。例えば、トヨタの「カイゼン文化」や、Appleの「デザイン力」などが挙げられます。
差別化戦略：
他社と異なる製品やサービスを提供し、競争優位を築く戦略のことです。たとえば、オーガニック食材を使った料理で他と違いを出す飲食店などが該当します。
競争優位：
市場で他社よりも有利に立てる状態を指します。価格、品質、ブランド力などが競争優位の要因になります。
対策
コアコンピタンスや競争戦略に関する用語は、ITだけでなくビジネス一般でも重要です。用語の意味を正確に理解し、他の選択肢と何が違うのかを説明できるようにしましょう。実際の企業の事例を知ることで、理解がより深まります。
