問題
問66
以下のうち、DX（デジタルトランスフォーメーション）の目的として最も適切なものはどれか。
- デジタル技術を活用して業務やビジネスモデルを抜本的に変革する
- 紙文書をPDFに変換して保管コストを削減する
- 社内メールをSNSで置き換えてコミュニケーションを簡素化する
- 定型業務をすべて外注化してコストを抑える
正解
正解は「ア」です。
解説
正解は「ア」の「デジタル技術を活用して業務やビジネスモデルを抜本的に変革する」です。DX（デジタルトランスフォーメーション）は、単なるデジタル化や効率化にとどまらず、デジタル技術を活用して企業の業務プロセスやサービス、さらにはビジネスモデルそのものを根本的に変革し、新たな価値を生み出すことを目的としています。
たとえば、従来の販売方法をオンラインに完全移行し、顧客体験を刷新することなどが該当します。一方、紙文書のPDF化やメールのSNS置換えは業務の一部をデジタル化・効率化しているに過ぎず、DXの本質である「抜本的な変革」には至っていません。
また、外注化はコスト削減の手段でありDXの目的とは異なります。日常の例でいうと、単に書類をスキャンして保存するのは作業のデジタル化ですが、新たな販売チャネルを作り収益構造を変えることがDXの真髄です。
イ(紙文書をPDFに変換して保管コストを削減する):
単なる業務効率化やデジタル化の一例であり、抜本的な業務変革やビジネスモデルの革新には該当しません。
ウ(社内メールをSNSで置き換えてコミュニケーションを簡素化する):
コミュニケーションの方法を変える効率化の一種であり、DXの目的である組織や事業全体の変革とは異なります。
エ(定型業務をすべて外注化してコストを抑える):
コスト削減のための業務委託であり、デジタル技術の活用や事業の変革とは関係がありません。
難易度
この問題はDXの基本的な概念を理解しているかを問う問題であり、選択肢の中から本質的な目的を見極める力が必要です。初心者には「デジタル化」と「デジタルトランスフォーメーション」の違いが混乱しやすいためやや難しく感じるかもしれませんが、しっかりした定義を覚えていれば解答可能な問題です。
用語補足
DX（デジタルトランスフォーメーション）：
デジタル技術を活用して業務やビジネスモデルを根本的に変革し、新たな価値や競争力を創出することです。たとえば、オンライン販売やAIを活用した新サービスの展開などが含まれます。
デジタル化：
紙の書類をPDFにするなど、アナログ情報をデジタル情報に変換し、効率化やコスト削減を目的とした処理です。
ビジネスモデル：
商品やサービスをどのように顧客に届け、収益を上げるかの仕組みのことです。例えば、月額課金やフリーミアムモデルなどがビジネスモデルの一例です。
対策
DXは単なるIT化や効率化とは異なる、企業の業務やビジネスモデルの抜本的な変革を指すことを理解することが重要です。問題文や選択肢に出てくる「デジタル化」と「デジタルトランスフォーメーション」の違いを明確に整理し、過去問題で事例を確認しておくと良いでしょう。
