問題
問64
企業会計において「ROE(自己資本利益率)」の説明として適切なものはどれか。
- 総資産に対する営業利益の割合を示す指標
- 株主資本に対する純利益の割合を示す指標
- 売上高に対する経常利益の割合を示す指標
- 固定資産に対する減価償却費の割合を示す指標
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正解
正解は「イ」です。
解説
正解は「イ」の「株主資本に対する純利益の割合を示す指標」です。ROE(Return on Equity、自己資本利益率)は、企業が株主から預かった資本(株主資本)を使ってどれだけ効率的に利益を上げているかを示す重要な経営指標です。具体的には、純利益を株主資本で割った割合で表され、高いほど株主資本を効率良く活用していることになります。
例えば、ROEが10%であれば、株主が出資した100万円に対して10万円の利益を生み出していることになります。これは投資家にとって企業の収益力や経営効率を判断する大切な指標です。
一方で、総資産に対する営業利益の割合はROA(総資産利益率)、売上高に対する経常利益の割合は経常利益率、固定資産に対する減価償却費の割合は減価償却率など別の指標を示します。これらはROEとは異なる指標であり、ROEは特に株主の視点から企業の利益率を評価するものです。
ア(総資産に対する営業利益の割合を示す指標):
これはROA(総資産利益率)に該当し、ROEとは異なる指標です。
ウ(売上高に対する経常利益の割合を示す指標):
売上高経常利益率を表し、ROEとは異なる利益率指標です。
エ(固定資産に対する減価償却費の割合を示す指標):
これは減価償却率であり、ROEとは関係ありません。
難易度
この問題は基本的な財務指標であるROEの意味を理解しているかを問う内容です。企業会計や経営指標の基本用語を知っていれば解きやすく、ITパスポート試験の中では標準的な難易度です。初心者にとっては用語の違いを区別する必要があるため、学習初期には少し難しく感じるかもしれません。
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用語補足
ROE(自己資本利益率):
株主が出資した資本に対して、企業がどれだけの純利益を上げたかを示す指標です。投資効率の目安として使われます。
純利益:
企業の最終的な利益で、売上からすべての費用や税金を差し引いた後の利益です。
株主資本:
株主が会社に出資した資金や利益の蓄積分を含む、会社の自己資本のことです。
対策
ROEやROAなどの代表的な経営指標の定義と計算方法をしっかり理解することが重要です。用語ごとに意味を整理し、具体的な数字例でイメージしながら学習することで、違いを明確に区別できるようにしましょう。過去問題集や財務会計の基本書籍で繰り返し確認すると効果的です。